ライバル視してくる金持ちお嬢様 #ポンコツお嬢様
購買部名物・激辛焼きそばパンの早食い対決。
口の周りをソースだらけにして息絶えている彼女を見下ろしながら、私はそっと勝利を確信した。
成績優秀、スポーツ万能、誰もが羨む超絶美少女の神宮寺お嬢様。
……なのになぜか私を一方的にライバル視し、毎回こういうしょうもない勝負を仕掛けては自爆する。
「くっ、くやしいーーーっわ!! なぜ、なぜこの私が庶民のジャンクフードごときに後れを執るの!? 覚えておきなさい、次こそは絶対に……!」
悔しさに身を震わせる彼女の頭上から、凄まじい爆音と風が吹き荒れた。
見上げれば、校庭のど真ん中にホバリングする、彼女の実家のプライベートヘリ。どんなお迎えの規模よ。
ゴオオオオッ!! と猛烈なダウンウォッシュが襲いかかり、私たちのスカートが容赦なく巻き上げられる。
私はとっさに両手で裾を押さえる。ふぅ、危ない危ない。
……って、ちょっと待って。隣、隣!!
「おーほっほっほっほ! 見ましたこと!? これが我が神宮寺財閥の力ですわ! タラップなど不要、このまま華麗に撤退して差し上げますわ!」
いや、高笑いしてる場合じゃないから!!
ヘリの登場にご満悦なのはいいけど、胸を張っているせいで、風圧を受けた彼女の制服スカートがめくれ上がっている。
……見え……完全にアウト。
白地に上品なリボンがあしらわれたお嬢様ショーツが、遮るものなく白日の下に晒されている。
当の本人は1ミリも気づいていない様子で、ドヤ顔のままヘリから下ろされた縄梯子をガシッとキャッチした。
「さらばですわ、私の強敵(とも)よ!」
いや、だからパンツ。パンツ丸出しで梯子を登らないで。
そのまま彼女は、風にスカートをペラペラと激しくなびかせ、純白のエリアを全方位に大開放したまま、ゆっくり、本当にゆっくりと梯子を登り始めた。
……え、これ、私はどういう顔をして待てばいいの?
彼女がヘリのキャビンに到達するまで、1分はかかりそう。
私は自分のスカートを両手で必死に押さえつけたまま、ただただ「お嬢様の盛大なパンチラ登頂劇」を真顔で見守るしかなかった。この時間、ギネスに載るくらい気まずい。
ようやくヘリの淵に足をかけた彼女は、わざわざこちらを振り返り、髪をかき上げてフッ、と不敵に微笑んだ。いや、今もめくれてるからね?
「今回は引き分けにしておいてあげますわ! ごきげんようーーーっ!」
バタバタバタと去っていくヘリを見送りながら、私は深いため息をついた。
……神宮寺さん。
あなた、本当に色々ハイスペックなのに、どうしてそんなにポンコツなの……?
あんなに堂々と見せつけられたら、もう明日から、どんな顔して会えばいいかわからないよ……。
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