貧乳イジりだけは許さない第9話 #囚われの魔法少女
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これよ、これ! 絶体絶命のピンチこそ美少女の華!
わたしはメイ。自室の四角い空間に無限のドラマを紡ぎ出す、SNSでもそこそこ名前の通ったシチュエーション派コスプレイヤー。
今回のテーマは、白とネイビーブルーのコントラストが眩しい、正義の魔法少女コスプレ!
ハイレグレオタードに可憐なミニスカートを合わせた王道デザイン……なんだけど、今回はさらに一歩踏み込んで、悪の組織に捕まった「緊縛シチュエーション」に挑戦!
自力で全身に縄を巻き付け、準備は万端。この窮地から奇跡の逆転劇が始まる……はずだった。
ガチャリ、と空気を読まないいつもの無断進入により、前髪で目を隠した弟のリクが、頼んでいた予備のカメラ用三脚を手に部屋に入ってきた。
『あ、姉貴、三脚持ってきたぞ。……って、うわああああっ!? なんだその、倫理的に色々とアウトすぎる絵面は! 何やってんだよ自室で!!』
「……っ!!
いま『絵面がアウト』って言ったわねリク! それってつまり、『せっかく縄で全身をギチギチに縛り上げているのに、胸元だけは縄の圧力に抵抗する肉がなさすぎて、ただ真っ直ぐな板に紐を巻き付けただけの荷造りみたいになってる』って意味でしょ!?」
『……いや、単純にビジュアルの刺激が強すぎて警察に通報されるレベルだから焦っただけ——』
「うるさいわね! 確信犯よ!
いいこと!? 魔法少女の緊縛シチュエーションっていうのはね、本来なら 縄の食い込みによって、豊かな胸のボリュームがさらに強調されて、限界突破したパツパツ感を演出するためのものなのよ!
それなのに何よ、このわたしのフロントラインは! 縄が胸の上を通過する時、何の障害物もないから、まるで平地を走る高速道路みたいにスムーズに通り過ぎてるじゃないのよ! 食い込むための『高低差』すら存在しないから、縄がただただ虚しくフィットしてるだけじゃないの!!
アンタいま、心の中で『お、あの魔法少女、縛られても全くシルエットが変わらねえな! 形状記憶合金かよ!』って大爆笑したでしょ!? 憐れんだでしょ!?」
『……だから、そこまで言ってねーし。むしろ縛られてる格好そのものから目をそらすので精一杯なんだよ』
「嘘よ! アンタのその取り乱した様子は、間違いなく『レオタードと縄の組み合わせでどれだけエロさを出そうとしても、胸がこれじゃあ1ミリもドキドキしないな』っていう冷徹な評価を隠すための演技ね!
悪かったわね、縄の結び目の厚みの方が、わたしの胸の起伏よりよっぽど立体感があって!
どうせわたしは、どんなに固結びで縛り上げられても、胸元だけは風通しの良いフラットな空間を維持し続ける、悲しき物理法則超越レイヤーよ!
ああもう! 悪の組織のボスだって、わたしのこの平坦さを見たら『縛り甲斐がないわ!』って泣きながら縄を解いて、実家に送り返すレベルだわよーっ!!」
『……(このスッキリした胸元だからこそ、生々しさが消えて、フィギュアみたいな至高の造形美になってるのに……。まあ、口に出したら「この変態前髪クソ野郎!」って一生口きいてもらえなくなるから、絶対に言わねーけどな!)』
「なによその、あまりの貧相さに言葉を失ったみたいな顔は!
三脚置いたらさっさと退散しなさい、この前髪拘束具!
明日からわたしは毎日豆乳とキャベツを限界まで詰め込んで、縄をブチブチと引きちぎるレベルの大爆乳魔法少女になってやるんだからっ!!」
『はいはい。……とにかく、自分でその縄ほどけなくなって泣きつくなよ。じゃあな』
(バタン、とドアが閉まった後、言われた通り自力で結んだ縄が本当にほどけなくなり、プライドを捨てて「リク、やっぱりちょっと手伝って……」と蚊の鳴くような声でドアの向こうへ懇願するメイの、さらなる悲劇が幕を開けるのであった)
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