おっさんやん #アイドル生徒会長の真実
生徒会室のドアを閉めた瞬間、さっきまで廊下で「みなさん、熱中症には気をつけてくださいね!」と清楚に微笑んでいたはずの生徒会長――ナナが、盛大なため息と共に椅子へと崩れ落ちた。
スレンダーな体型に、トレードマークのツインテール。
男子生徒からは「学園のアイドル」、女子生徒からは「可愛すぎるマスコット」として絶大な人気を誇る、成績優秀・スポーツ万能の完璧超人。それが、この部屋の外での彼女の仮面だ。
「おいナナ。エアコンならさっきスイッチ入れたから、あと5分もすれば涼しくなる。だから――」
言いかけた俺の言葉は、ナナの「限界油断ムーブ」によってフリーズさせられた。
両脚を思いっきり投げ出したのだ。
当然、着ている制服のスカートは無残にめくれ上がり、青と白の爽やかなボーダー――いわゆる王道の「縞パン」が、隠す気ゼロの大画面で正面から丸見えになった。
「……おっさんやん。中身完全におっさんやん、お前」
「はぁ? 何よトウマ。これだけ暑いんだから、スカートの通気性を確保するのは生命維持のための正当防衛でしょ」
「正当防衛で縞パン大開放するやつがあるか。一応、男の前だって自覚を持て。アイドル生徒会長のイメージ崩壊だぞ」
ジト目でツッコむ俺に対し、ツインテールを面倒くさそうに揺らしながら、手でパタパタと自分を仰ぎ始めた。
視線がガッツリその青白ボーダーに向いている(というか、物理的に視界のど真ん中にある)というのに、羞恥心という概念をどこかに置き忘れてきたような態度だ。
「いいじゃん別に。今さら恥ずかしがる要素なんてないし。見ても減るもんじゃないんだから、涼しくなるまで勝手に見なよ。あ、ついでに冷蔵庫からアイス取って」
呆れ返ってため息が出る。
ここまで堂々と差し出されると、もはやただの実家のリビングである。
「はい、ソーダ味のアイス。これで静かになれ」
「わーい、トウマ大好き。……ん、冷たーい! 生き返る〜〜」
縞パン丸見えのスタイリッシュ(?)なポーズのまま、ガリガリとアイスを貪る学園のアイドル。
外で見せる完璧な姿と、この部屋で見せるおっさんな姿。この落差を知っているのが俺だけだと思うと、幼馴染として、そして副会長として、本気で胃が痛い毎日である。
「……早くエアコン効かないかなぁ……(切実)」
呪文
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