【石巨神の腕に囚われて――美と愛の女神エウロメリア】急
強引に持ち上げられる女神。
喉を圧迫され、意識が急速に遠のいていく。
黄金の月桂冠は無残に傾き、美しき瞳からは次第に光が失われ、その身体から完全に力が抜けた――。
巨神が勝利の咆哮を上げ、美神の喉首を握り潰そうとした、まさにその一瞬。
「……これほどの醜態、私の美意識が許しませんわ……!」
遠のく意識の底、絶望に震える民の祈りがエウロメリアの魂を叩き起こした。
消えかけていた瞳に、爆発的な黄金の神威が蘇る。
巨神の手を強引に引き剥がしたとき、巨神が体勢を崩したその隙を、女神は逃さなかった。
エウロメリアは巨神の巨大な石の腕をその華奢な両手で掴み取ると、己の全神力を乗せて、大地を踏み締めた。
「そこへ直りなさい、無礼者ッ!!」
凄まじい気迫とともに、見上げるような巨躯の石巨神を、前方の泥土へと豪快に背負い投げたのだ。
地響きとともに石の巨体が大地に叩きつけられる。
今や立場は逆転した。
嵐の雷鳴を背に受け、天高く跳躍したエウロメリアの手に、まばゆい光の巨剣が顕現する。
「これで、終わりにします」
両手で掲げた光の剣を、一筋の流星のごとく振り下ろす。
狙うは巨神の胸の奥で不気味に脈打つ、邪神リソロスの「核」。
神聖なる一撃は、巨神の硬質な身体を真っ二つに叩き割り、その中心にある核を文字通り粉々に砕き散らした。まばゆい光の粒子が、暗雲立ち込める空へと噴き上がり、聖地を蹂躙していた邪悪な気配が綺麗に霧消していく。
巨神はただの物言わぬ瓦礫の山へと還り、レミュナスに、ついに静寂が戻った。
薄れゆく意識のなかでエウロメリアが耳にしたのは民たちの歓声であった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
美と愛の女神とゴーレム型邪神による巨影バトルの決着編です。
アプロディテベースの女神にガチの格闘を、ピンチやりすぎレベルで描いてもらいました(´・ω・`)
やや雑な個所がありますが、最後まで見ていただきありがとうございました。
◎エウロメリアのプフィールはこちら!
https://www.chichi-pui.com/posts/77cba50a-3333-49a3-bd8c-c99b8e625d68/
◎エレウセリオン神話記WEBサイト(※アーカイブ用の自サイトです)
https://eleutherion2026.wixsite.com/my-site
呪文
入力なし