純白の野原
エルフの耳をぴこぴこと揺らし、彼女は草の上に大きく広げた白い布地を誇らしげに見せた。そこは裏山の少し開けた場所。花畑の真ん中に不意に現れたその姿は、あまりにも浮世離れしていた。
「いや、それ、どう見ても結婚式の……その、盛大な衣装だろう。なんで着てきたんだ」
私が呆れて尋ねると、彼女はふふんと鼻を鳴らす。
「今日ね、なんだか特別な気分だったから。最高に可愛い服を着て、一番いい場所でお昼寝をしたかったの。どう? 似合ってる?」
彼女はわざとらしく指先を唇に当て、こちらをじっと見つめる。少しだけ悪戯っぽいその瞳に、つい苦笑いがこぼれた。
「まあ、似合ってはいるけど……草の上に直で寝転がるのはどうなんだ。汚れるぞ」
「いいの。汚れたら魔法で綺麗にするから。それより、あなたも座れば? この布、すごく広いのよ」
彼女が手招きするままに腰を下ろすと、周囲の白い花々が風に揺れた。
「あーあ、結局こうなるんだな」
「文句を言いつつ、隣に来てくれるんでしょう?」
彼女は満足げに目を細め、そのまま空を見上げた。穏やかな風が、彼女の髪と白いレースを優しくなびかせていく。非日常がすぐ隣で、今日という一日を特別に彩っていた。
呪文
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