睡魔と戦う魔法使い
銀髪の魔法使い、セリカは夜のお花畑で大きく手を広げた。
足元から黒猫のネロが呆れたように見上げる。
「綺麗だが、もう寝る刻限をとうに過ぎているぞ。明日の魔法学校のテスト中に居眠りする気か?」
「テストなんて、ふわりと浮かんで逃げちゃえばいいの。それより、夜のお花たちとおしゃべりするほうが大事だもん」
セリカは得意げに胸を張るが、その大きな瞳は今にも閉じそうだ。
「おいおい、まぶたが限界を迎えておるぞ。大人しく帰って寝るのだ」
「まだ眠くないもん! ほら、目がパッチリ!」
セリカは必死で目を見開くが、体はゆらゆらと揺れている。
「うむ。目は開いているが、魂が半分抜けておるな」
「むにゃ……ネロ、お星様が落ちてきたら、捕まえて星屑のスープにしちゃおうね……」
「おいおい、すでに夢の世界の住人ではないか。観念するのだ」
「あと五秒だけ……五秒って何分だっけ……すやすや」
セリカはお花畑の真ん中で立ったまま寝息を立て始めた。
「やれやれ、世話の焼ける主だ」
ネロはため息をつきつつ、セリカの足元にそっと寄り添った。
呪文
入力なし