闇より出でし金焔
「なにやら騒がしい。 ……悪の神、とやらが動き出したらしいな」
すると、その口元が不満そうにへの字に曲がる。
苛立ちの現れか、その身から滲みだす金の妖気がより一層、不気味に揺らめいた。
「ぽっとでの小童どもが、我より目立つなど調子に乗るでないぞ?」
そう呟いた直後、その影はゆらりと揺れて、背後に潜んでいた魔物に振り返る。
鮮黄色の瞳に睨まれた瞬間、その魔物はびくりと身を震わせて硬直した。
その視線はあまりにも冷たく、悍ましく、逃げることが叶わないと瞬時に理解させた。
「さあ、その身を我に捧げよ。 大人しくしていれば、苦しませずに逝かせてやってもよいぞ」
にたり、と持ち上がる口角。鋭い牙を覗かせて、黒の狐は愉快そうに笑う。
その手から眩い炎が燃え上がり、遮るものは全て焼き尽くしてゆく――
***
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