伝説が目を覚ます瞬間/スマホ壁紙アーカイブ
ある日、海は嵐をやめた。
いや、正確には違う。
嵐そのものが、一つの意志として目を開いたのだ。
断崖に立つ旅人は逃げなかった。
蒼い龍は空でも海でもなく、その狭間から姿を現した。
波は鱗となり、雲は鬣となり、雷鳴は遠い呼吸となった。
何千年も前に結ばれた約束を、龍は覚えていた。
人は忘れていた。
だから龍は怒るためではなく、確かめるために現れた。
「まだ願うか」
言葉はなかった。
だが旅人は静かに頷いた。
世界が壊れそうなほど荒れ狂う海の中で、
その小さな動作だけが不思議なくらい鮮明だった。
龍は目を細める。
そして嵐は少しだけ優しくなった。
その夜、誰も知らない場所で。
ひとつの伝説が終わり、
そして新しい伝説が、静かに目を覚ました。
呪文
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