湯気の先
「すごい……これがずっと憧れていた場所なんです!」
周囲は真っ白な世界だが、肌を包むお湯は驚くほど温かい。じんわりと全身を包み込む温かさに、今回の遠出の醍醐味を全身で受け止める。
「えへへ、ちょっと贅沢しすぎちゃったかな? 普段はギターと向き合ってばかりですけど、こういう非日常な場所に身を置くと、心まで解きほぐされるような気分になれますっ!」
彼女はひやりとした外気を少し吸い込み、すぐに湯船に肩まで浸かった。
「はぁ〜、生き返りますね。水面を撫でる風と、熱さのコントラスト。これぞ、旅の醍醐味!」
立ち上る湯気が頬を撫で、彼女の紅潮した表情をより一層愛らしく彩る。
「次回来るときは、ここでアコギを抱えて弾き語りしたら素敵だと思いませんか? あ、でも弦が錆びちゃいますね……うぅ、それは残念! ギターが可哀想です!」
一人で顔を赤くして笑う彼女の姿は、この特別なひとときの中で、誰よりも眩しく輝いていた。
呪文
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