悪魔の放課後探偵
そう告げると、机に身を乗り出していた少女は、わざとらしく小首をかしげた。金色の瞳がいたずらっぽく細められる。
「あらあら、また? 困った子ね。神様にお祈りすれば見つかるかしら」
「いや、さっきまでそこに置いたはずなんですよ」
僕がため息をつくと、彼女は黒い尻尾をゆらりと揺らして、楽しそうに笑った。彼女の名はルル。校内のちょっとした紛失物を探すのが得意な、自称・放課後探偵だ。
「ねえ、もしかして私のイタズラだと思ってる?」
「思ってませんけど、その黒い羽みたいな尻尾がヒントを握ってる気がして」
「ふふ、鋭いこと。じゃあ、これと引き換えなら返してあげてもいいわよ」
ルルはそう言って、自分の頬を指さした。もちろん、イタズラな笑みを浮かべたまま。
「探偵料が高すぎませんか」
「いいえ、格安よ。それとも消しゴムは諦める?」
彼女のあまりの堂々とした態度に、僕は頭を抱えるしかない。この小悪魔的な彼女に振り回される放課後は、少しだけ心臓に悪いけれど、なぜか悪くない時間だ。
「……分かりましたよ。でも、次はちゃんとお小遣い払いますから」
「ふふ、期待してるわ。ほら、消しゴムはあなたのポケットの中よ」
僕がポケットを探ると、本当に消しゴムが入っていた。いつの間に。
「また負けましたね」
「当然よ。探偵をなめないでいただきたいわ!」
胸を張る彼女の姿は、今日も今日とて最高に厄介で、最高に眩しいのだった。
呪文
入力なし