小説『役写叶絵(ヤクシャカナエ)・Rain to Birth』【ニャンノ世界】
『役写叶絵(ヤクシャカナエ)・Rain to Birth』
役写叶絵は常夜監督の制作する映画に出演する
俳優であった。常夜監督がまだまだ新米であった時、彼女は、雨の中で演技をすることも厭わなかった。寒くはないだろうか…、心配になり、不安となって、尋ねるが、役写は横に振り、「心配は無用です…魂こめた映画の為には成さねばならぬこともありますからね」と、傘を閉じて雨空に身を晒す。風邪でも引いてしまう…劇団座のリーダーとしての思いが監督を動かし、叶絵に駆け寄ろうとするが…こらえる。
時に、信じて送り出す、任せることも
大事だと知っている…
だからこそ、なればこそ、
役写の真剣な眼差しが、心に作用し、
撮影は継続するのだった。
雨はしきりにやむことなく
降っている…降りし雨は
彼女の衣を溶かし、
身も心も裸へと変貌させる。
水に溶ける服を扱うことで
このような展開へとなるのだが、
大半の役写は恥じらうか、
笑うかする中で、
美を追求するが如く、
凛々しく繁る毛玉の気高さを
見せながら、時にはケタマノタキをすることも成し遂げる…
常夜監督は唸る…
彼女は何事も
万の理の中でも
稀有な存在なのだと
あるがままに体を見せ
役写としての本懐を
成さんとする真理に
魅せられながら、
作品は完成するのだった。
雨に濡れし其の毛には
生きとし生きてきた
古の命の連鎖が
眠っているのだと
古来に想いを馳せつつ
フィルムにおさめた。
(猫メモ)
黒線付与ver
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を制作し、編集する彼らの物語を書きました。
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