狐耳の食いしん坊
「ねえ、人間。この白いフリフリの服、私にはちょっとだけ窮屈かも」
レイラはわざとらしく袖を引っ張り、溜息をついて見せる。俺が苦笑して「でも、よく似合ってるよ」と返すと、彼女は耳をピクリと動かして鼻を鳴らした。
「ふーん。まあ、お前がそこまで言うなら仕方ないわね。着てあげなくもないわ」
まんざらでもない様子で頬を紅潮させるレイラ。隠しきれない満足感が、その揺れる尻尾から溢れ出ている。
「ところで、今日の昼飯は何? 昨日食べたあれがいいわ。あの、甘くてトロトロした……何だっけ」
「フレンチトースト?」
「それ! それよ。おかわり、たくさん作ってよね。私の尻尾が満足するまで」
レイラはそう言うと、再びバタンと布団に倒れ込んだ。空腹と心地よい寝具、そしてこの家での気ままな暮らし。彼女にとっては、こんな何気ないひとときこそが最高のご馳走なのだろう。
「あーあ、早くしてよ。お腹と背中がくっついちゃう」
またしても尻尾で布団を叩きながら、彼女は目を閉じた。どうやら、トーストができるまでは再び夢の続きを見るつもりのようだ。全く、世話の焼ける狐様である。
呪文
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