何のためにお風呂に入ったの……? #虚無
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主催者様に大感謝です!
──『ねえ、神様……。一体何のためにお風呂に入ったの……?』
ブォォォーーーッ……と、虚しく響くドライヤーの爆音の中、わたしは心の中で力なく呟いた。
わたしはレナ。一人暮らしを始めてから、自分のペースで自由に過ごす毎日はすっごく気に入っている、ごく普通の大学生。
だけどね、この『夏の夜の身支度』だけは、一人暮らしの過酷な現実を突きつけられている気がしてならない。
事の始まりは、さっきお風呂から上がった瞬間だった。
一人暮らしの狭い脱衣所は、お風呂の熱気がダイレクトにこもっていて完全にサウナ状態!
『あ、これ、ここにいたら一瞬で汗だくになるやつだ』と察したわたしは、エアコンが効いているはずのリビングへと大慌てで避難してきた。
涼しい風に当たって、『ふぅ、やっぱりリビング最高! 髪を乾かしてパーフェクトにスッキリしよう♪』なんて上機嫌だった。
……そう、このドライヤーのスイッチを入れるまでは。
わたしの髪はそこそこ長さがあるから、乾かすのに結構な時間がかかる。
いくら部屋を冷房で冷やしていても、頭のすぐ真横からビュービューと吹き付けられる『温風』の破壊力は凄まじかった。
最初は心地よく感じていたはずの風が、徐々に部屋の冷気をパーフェクトに打ち消して、わたしの周りだけ局所的な熱帯雨林を生み出していく。
乾かせば乾かすほど、頭皮から、首筋から、デコルテから、ジワジワと新しい汗が噴き出してくる。
気がつけば、乾かしている髪の毛が、自分の汗でまたしっとりと濡れてきちゃう始末。
『ちょっと待ってよ……。髪を乾かすための熱風で汗をかいて、その汗でまた髪が濡れて、それを乾かすためにまた熱風を浴びるって……何この終わらない無限ループ!?』
そして、ようやく髪がなんとなく乾ききった現在の姿がこれだ。
シャワーを浴びて綺麗に洗ったはずの体は、お風呂に入る前よりも確実に汗だく。キャミソールは肌にペタペタ張り付いて気持ち悪いし、額からは大粒の汗がポタポタと滴り落ちていく。
頭の中を占領するのは、怒りでも悲しみでもない。ただただ圧倒的な『虚無』。
だるい。めちゃくちゃだるい。
もう一回シャワーを浴びに行く気力なんて1ミリも残っていない。だけど、このままベッドに潜り込むのもパーフェクトに嫌だ。
窓の外では、そんなわたしのトホホな苦闘をあざ笑うかのように、綺麗な満月が涼しげに夜空を照らしている。
あーあ……。明日からは、冷風と温風を秒単位で切り替える必死の延命措置をとるか、なんなら扇風機を目の前に持ってきて、ツインサーキュレーター状態で挑むしかないの……?はぁ、一人暮らしの夏、過酷すぎる……トホホ
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