サメと休日
「ネネ、もう日が昇ってるわよ。今日も行かないの?」
母親の声が扉の向こうから聞こえる。
「うーん、今日はサメくんが離してくれないの」
ネネはサメの背びれをなでながら答えた。
「またそんなこと言って。学校の先生から電話が来たらどうするの」
「サメくんが『今日は海に行きたい』って言ってるから仕方ないわ。ほら、この鋭い牙を見て。あの子、結構わがままだから」
ネネはサメのぬいぐるみを母の方へ向ける。
「ぬいぐるみに意思なんてないでしょ」
「あるもん。今も『今日は家でゆっくりするのが一番だ』って言ってる」
ネネはにっこりと笑って布団に潜り込んだ。
「もう。美味しいおやつがあるからって言っても?」
「えっ、ケーキ?」
ネネの耳がぴくりと動いた。
「ええ、とろけるようなチョコケーキ」
「うーん、サメくんが『チョコなら妥協してもいい』って言ってるかも」
結局、今日も平和な一日が始まるのであった。
呪文
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