運命の転倒
「あら大変!大丈夫ですか?お怪我はありませんか!」
すぐに駆け寄ってきたメイド姿の彼女が、心配そうにこちらを覗き込む。その時、ふわりと揺れたスカートの裾から見えた光景に、僕は思わず息を呑んだ。
怪我の痛みなど一瞬でどこかへ消え去り、心臓が大きく跳ね上がる。
「……はい、全く問題ありません。むしろ、これ以上の幸運はないかと」
「ええと、幸運ですか?」
彼女は小首を傾げ、怪訝そうに眉を寄せる。僕は必死に高鳴る鼓動を抑え、立ち上がって丁寧に服の埃を払った。
転倒という予期せぬご褒美に、今日の疲れもすべて吹き飛んでしまう。彼女はまだ納得がいかない様子で首を傾げているが、すぐにいつもの愛らしい笑顔で接客を続けていた。この店に来て本当に良かった。僕は満ち足りた気持ちを胸に、ハンバーガーのトレイへと手を伸ばした。
呪文
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