夕食前のひとくち
ベッドの上で、水着姿の猫耳少女ミントがジタバタと悶えていた。
台所から、じゅうじゅうと魚が焼ける美味しそうな音が響いてくる。同居人のジンは、フライパンを揺らしながら苦笑した。
「あと三分だ。大人しく待ってろ」
「三分も待てない! お腹がすきすぎて、今にも行き倒れちゃう!」
「水着のままベッドで元気にのたうち回っているやつが、行き倒れるわけないだろ」
「だって部屋が暑いんだもん! ほらジン、メインが焼き上がる前に、ちょっとミントを撫でて気を紛らわせてよ!」
ミントはコロンと仰向けになり、潤んだ赤い瞳でジンをじっと見つめた。
「おねだりしてもダメ。今手を離したら魚が焦げる」
「ちぇー。メインの前の軽いおもてなしとして、お腹を撫でるくらい減るもんじゃないのに!」
「それを言うなら、ごちそうを前にしておあずけを食らっているお前のほうが、よっぽど美味しそうに見えるけどな」
「へっ!? な、何言ってるのバカジン!」
顔を真っ赤にしたミントは、慌てて自分のふわふわな長尾を抱きしめた。
「ほら、焼けたぞ。早くテーブルにつきなさい」
「……うぅ、ジンのいじわる。でも、いい匂いだから許す!」
呪文
入力なし