ないしょの秘密基地 (AI Remastered)
手に虫かごをぶら提げて、ぼくは裏山の中を進んでいく。
ぼくは母さんと一緒に、田舎の実家へ里帰りに来ていた。
木が生い茂る裏山の林は自分にとって新鮮で、日が沈むまで虫とりをするのが夏休みの楽しみだった。
いつものように虫とりをしているぼくの背中から、誰かが不意に呼びかける声がする。
「ね、そこで何してるの?」
そこには一人の女の子が立っていた。長い髪に白いワンピース。
すらりと伸びた素足には、飾り気のない水色のサンダルをつけている。
「何って、虫とりだけど」
「そうなんだ。ねえ、一人なの?」
「そうだけど……君、だれ?」
「わたしはすずか。紗佳って書くんだよ」
そう言って地面に、自分の名前を書いてみせた。
あなたは? と聞き返す紗佳ちゃんに、ぼくは自分の名前を答え、同じように地面に書いた。
「晶……じゃあ、あき君だ。よろしくね!」
紗佳ちゃんはにっこりと微笑んで、そう言った。
呪文
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