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「情報屋、今日のマタタビ」

「これだ」

ナニモニャイは資料に眼を通す

「眩しすぎるな…匂わせ、トイレ、赤面、狐耳組は傘下が多くなって嬉しいんだろうな」

「だからこそ、今のうちに武器を整えて、乗り込むんだろう黒猫のダンニャ」

情報屋はニヤリと笑う

「あぁ、越夜も笑ってる時に乗り込んだよ、あのときが懐かしい…ふっ」

ナニモニャイは煙を吹かして
過去を懐かしむ。

彼らが戦勝ムードのなか、
部下たちと乗り込んで
焦る越夜隊の顔は今でも忘れない。

「あのときは狐耳は旅人に属してて、敵じゃなかったが、今は…敵だ。ほどよい緊張関係で、ドライに仕事ができるよ…」

彼女はニヒルな笑みを浮かべ
マタタビの火を散り散りにさせる。

「染みだな、これは…一生消えることのない罪と十字架を背負って生きるんだろうな」

ナニモニャイは天井を見据える。

「毒を吐くのは文学なら当たり前だ、だが、文学を読まないやつは、それを認識しねぇから苦手だ…」

ナニモニャイは呟く

「病んでますね、ダンニャ」

「病まずにいられるのは…死ぬときだよ、生きてる限り必ず病む、止まない雨はないと言うだろ…同じように病まない人間はいないんだよ」

「必ず、雨、降ってますね、誰かしら」

「メンタル強いって言ってるやつは好きじゃないね、あれは強がりだよ、自分を大きく見せてるだけ…狐耳の場合はまんま、それだ。強いと言いながら、結局は大衆を気にしている、数字を気にしている、褒められたがっている。芯に強いやつは、求めないんやつのことを言うんだよ」

「なるほど、あんたは見てるんだな狐耳を」

「トイレにずっぽり入っちまったこともあるからな…もちろん、アタシじゃないぜ、他のやつがな」

「ダンニャはもう、できませんね、トイレなんてもんは」

「あぁ、トイレは、むしろ、ぶち壊したいね…加えて、金球もな…」

「ダンニャは敵を作るのに長けてそうですね」

「味方よりも敵の方が多いかもな、別にいいんだよ…どうだって…人は死んだら、1人なんだ…人同士が群れるのは、麻薬のようなまやかしさ」

ナニモニャイは吹かし終えると、

「戻るボタンは甘えだよな…」

と言って、冗談じみたことを言いながら
情報屋に別れを告げる。

「手の動きがさ…痺れるんだよな…なんだか、アタシはおかしくなってる気がするんだ…全てが…」

凛々しい瞳の中に震えが止まらなかった。

「すまないな、弱音を吐いて…、弱いんだよアタシは…ずっと、これからも…」

情報屋は去り際の彼女に
一言…

「弱いは誇っていいと思うぜ」

情報屋の言葉に少し微笑むと
彼女はその場を後にする。
カランカランとベルの鳴る音が
余韻を刻み栞を挟む。

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