「鳴り響く箱と影」
まず、怪異を可視化するため
画伯表象機にて姿を捉える
彼女が持っているオブジェクトは
オルゴールであった
これは恐らく
廃都化したことを
受け入れたくない
防衛本能によるものだろう
オルゴールが鳴りし音符に
触れてはいけません
触れれば
貴方が音符になるからです
観測班の調査報告書が
管理の方法の役に立ちました
周囲は特注の防音設備
そして、SP社(SafetyProtocol社)に依頼し作らせた防音服により
彼女との相談を可能にしました
しかし、どこか寂しそうな彼女
これは、我々の力では
どうしようもないことでしょう
我々は神でもなければ
創造主すらありません
されど、
話は聞くことができます
だからこそ、
話を聞き
少しでも廃都にならぬよう
解決に進め都市を復興させる
これは始祖の梟がもたらした
基本方針に則った
最善の策なのかもしれません
しかし、世の中に断定は危険です
故に今後も、管理方法が変化する事態(イレギュラー化)に備えるため
可能な限りの安全をモットーに観測をし続けたいと思います
ー現像ー
像を映す
人は1視点のみでは観測したとは
いえません
多角的な物語を読むことで
理解できていると
この世の少なくとも私は
判断しています
さて、彼女が好きな音楽
残響が気に入っている音楽は
オルゴールです
または、
それに連なる古典的音楽です
之には機械ではなく
全て人による思いが純粋培養として構築されており、何かを失った
そう、大切な故郷を失った
彼女にとっての喪失感を緩和してくれるからです
音楽は唯一性を持つようで
その実、脈々と受け継がれる
不思議な連鎖反応があります
それが歪みを生んだ厄災だとしても
滅びゆくほどに美しかったり
生まれてゆくほどに醜かったり
全てを覆い尽くしたいほどの哀しみの中で見つけた光を掴んでみたり
少なくとも彼女は
思い出の中に光を見つけたのでしょう
そう、信じたい
そう、感じていたい
言葉では言い表せない
感情の譜面
呪文
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