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ある勇者の最期 (1)

使用したAI NovelAI
「今代の勇者の力はこの程度か。何とも、不甲斐のないものよな」
「……ぅ、ぁ……あっ……」

ぼやける視界の先で、とても耳慣れた……それでいて、違和しか感じられない声がした。硬い靴音を響かせながら、一人の少女がこちらへと歩み寄ってくる。
少女は闇のように深い漆黒のドレスに身を包んでいた。胸元や腕は紗布のようなシースルーの素材で覆われており、白い肌と黒い生地が溶けあってグラデーションを作りだしている。

「かつては妾を深き地の底にまで追いやったというのに、これではあまりにあっけない幕切れではないか。己を勇者の座に据えた女神どもも浮かばれまいよ」
「……うる、さい。その声で、顔で……僕に、話しかけるな。彼女を、解放しろ……その体から、出ていけ……っ!!」
「呵々、まだそのような口を利ける気力が残っておるとはの。だが、言うたであろ? この娘の肉体はすでに妾のもの。魂のひと欠片すら余すことなく手中にあるのだとな」

少女の姿を借りた魔王が、けたたましく笑いをあげる。
彼女はこの世界で初めて出会った女の子だった。この世界に迷い込んでまだ間もない頃、何もわからなくて途方に暮れていた僕に手を差し伸べてくれた。荒事には決して向かない優しい性格だというのに、元の世界へ戻る手段を探す旅にも付いて来てくれた。
だから今度は、僕が助ける番なんだ。敵にさらわれ、魔王復活の依り代に選ばれてしまった彼女のことを、何があっても絶対に救うと誓った。……そう、誓ったのに。

「楽には死ねぬと思えよ、人間。我が痛み、その屈辱は、貴様ら如きを鏖殺にしたところで到底充たされぬ。――ああ、そうじゃ。ひとつ、悦き座興を思いついたぞ」
「……な、にを」
「クク、愛しい女を目の前にして、ただ指を咥えているだけではあまりに不憫というもの。なれば、この場で本懐を遂げさせてやろうと思うてな。喜べよ、小僧。こやつの身体を使い、貴様の精を搾り尽くしてくれよう」

呪文

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