嗤う屍術師 #2
https://www.chichi-pui.com/posts/3cd1cb55-be9b-4080-9024-db85816b6ec9/
エルフェアルによる夜襲は非常に効果的に進んでいた。
夜目にすぐれたエルフや獣人にとって、哨戒していたグランゼンの兵士を始末することはたやすかったからだ。
「周辺に敵影なしです。広域殲滅魔法をお願いします。」
獣人部隊の隊長が、グランゼンの兵士の血で染まった爪を拭いながら報告を上げる。
少女は緊張に強張った表情のまま、こくりとうなずき、不安を払うかのように一息ついてから告げる。
「わかりました……。これより広域殲滅魔法を放ちます。部隊を下がらせてください。」
部隊が下がるのを確認し、少女は意識を集中する。
大気に漂うマナを取り込み、自らを触媒に破壊のイメージを練り上げる。
「我、地を穿ち切り裂かんと欲すれば、汝に深淵の怒りを逃れる術もなし、アースクエイク!」
破壊の本流が、少女の身体より寄り解き放たれる。
大地は揺れ、地割れと隆起が強固なグランゼンの街を襲う。
深夜ということもあり、しん、としていた街から、一斉に悲鳴が木霊する。
グランゼンはの大地は火山地帯のため、割れた大地に飲み込まれれば溶岩に落ちることになる。
少女は自らが一瞬にして手にかけた命に恐怖をしつつも、これは戦争で、まだ始まりに過ぎないのだと自らに言い聞かせ、獣人部隊の部隊長に追撃を命じようとしたところで、聞き覚えのない声が突如聞こえてきた。
「あーあー、そういう殺し方をされると困っちゃうんだよねぇ……。溶岩に落ちちゃったら、死体が熔けてなくなっちゃうじゃない。もったいないったらありゃしない」
声が聞こえた次の瞬間には、獣人部隊長のくぐもった悲鳴が響き渡る。
そこには、見たこともない異形の怪物が、多数の獣人を触手で貫く姿があった。
to be continued
https://www.chichi-pui.com/posts/948cfe07-892b-4718-89d9-cc4038586205/
呪文
入力なし