樹の中の秘密基地/スマホ壁紙アーカイブ
森の奥には、地図にも載っていない小さな部屋があった。
蔦が壁を覆い、花が窓辺を飾り、
二羽のオウムが毎朝の見張り役を務めている。
少年はそこで暮らしていたわけではない。
けれど、誰にも言えない夢だけは、いつもここに置いていた。
望遠鏡で遠くの空を眺めるたび、
まだ見ぬ島や、知らない星や、
未来の自分がいる場所を探していた。
ある夕暮れ、木々の隙間から差し込んだ光が、
壁に掛けられた古いメモを照らした。
そこには、いつ書いたのかも覚えていない文字。
「観察せよ。夢見よ。創れ。探検せよ」
少年は静かに笑った。
秘密基地は隠れるための場所ではなかった。
いつか世界へ飛び出すために、
心を育てる場所だったのだ。
そしてその日もまた、
森の小さな部屋には、新しい冒険の種がひとつ芽吹いていた。
呪文
入力なし