■眷属との闘い
お姉ちゃん「ナノの実力を認めて、お願いがあります。私と一緒に悪神と戦ってほしいの。」
ナノ「詳しく説明をお願いしたいの」
お姉ちゃん「さっきの戦いは、ナノの実力を見定めるために私は戦ったの」
ナノ「どうしてここまでする必要があったの?もしかしたらどちらかが・・・・」
お姉ちゃん「それはないわ。私もある程度は手加減をしていたし。市杵島姫も退路を開こうと戦っていたから全力で力を発揮できていたかは疑問が残りますし。」
ナノは、お姉ちゃんはお姉ちゃんだったと実感した。そしてお姉ちゃんから聞いた話はこういう内容だった。
狐神から「外に力を示せ」というお告げがシラクレナにあったということ。
そのお告げを聞いたシラクレナの人々が内ではなく団結して外に力を示すようになったということ。
しかし、シオン藩の人々はテラの存在を知っていたため、疑問を持っていた。
テラは先祖返りをしている、または狐神の血を引いている可能性が高いということ。
お姉ちゃん「テラちゃんはね狐神様がもっていたと言われる守護や封印といった能力の素質が強く出ているの」
お姉ちゃん「つまり、狐神様の本来の力は護ることに長けているの。国を護るための力ね。だから私達は神が偽りの神の可能性であることに気づいたの。そして他国を調査することにしたの。」
シオン藩は他国は本当に戦争を望んでいるのかを独自に調べるために、各国に隠密を派遣した。
そのセントレイク担当がお姉ちゃんだったのだ。集められた情報で分かってきたのは、セントレイクは、物資が不足している部分はあるが戦争は望んでいないということだった。しかし、悪神側も眷属を各国を派遣していた。
セントレイクの森を焼いたのは、悪神の眷属だったのだ。シラクレナは全く関係なかったのである。
お姉ちゃん「調査した結果は・・・悪神は各地で戦争を起こさせようとしていたわ。世界を破壊するために。」
またセントレイクとシラクレナの関係にヒビが入り、緊張状態になってしまいその戦争や悪神との闘いにナノを巻き込みたくなかったため、悪神の眷属が本格的に動き始めたタイミングでナノを置いて国に帰ったことも聞かされた。
ナノは納得できない気持ちもあったが、お姉ちゃんが変わらないでいてくれたことに安堵した。
お姉ちゃん「ナノちゃん。本当に強くなったわね。そして何も言わずに去ってごめんなさい。」
ナノ「ん・・・。事情があったのは分かったの。お姉ちゃんの優しさはよく知っているの。」
ナノとお姉ちゃんは、和解することができた。
お姉ちゃん「テラちゃんもごめんなさいね。悪神の眷属に見つからないようにするためとはいえ、他国に潜入調査するっていう難しい任務をお願いしてしまって」
テラ「難しかった・・です。たくさん失敗した・・・です。いらない子って言われた・・です。」
お姉ちゃん「本当にごめんなさい。シオン藩の中でもテラちゃんのことは機密事項で事情を知らない人がたくさんいるの」
テラ「・・・・・ん。」
お姉ちゃん「じゃあたくさん話したし、少し休憩にしましょうか。」
しばらくすると、外が騒がしくなってきた。
「悪神の眷属が攻めてきたぞ」という声が聞こえてきた。眷属は、軍勢を従えて攻めてきたのである。
悪神の眷属は、獣人や半妖の姿でシラクレナ藩の人たちと似た姿をしていた。ただ一点全員黒い衣装を着ているということを除いて。
お姉ちゃん「敵が来たようね。私達もいきましょう。」
お姉ちゃんもナノも完全に神気は回復していた。眷属が暴れている現場に着くとナノとテラに指示をだした。
お姉ちゃん「ナノちゃん。探査系魔法を使って一番強い反応を教えてくれる。テラちゃん戦闘のどこかで必ず神気封印や守護結界が必要になるわ。今から準備を始めておいて。」
ナノ「お姉ちゃんっ!すごい勢いでこっちに向かってくる反応があるの!」
お姉ちゃん「ナノちゃん臨戦態勢っ!」
お姉ちゃんが降神術を使った。
お姉ちゃん「降神術:天照」
続いてナノも降神術を使う。
ナノ「降神術:市杵島姫」
二人は、臨戦体制を取った。
眷属の巫女「へぇ・・・面白い巫女が二人もいるようだの。こっちにきて正解のようじゃの」
眷属の巫女「それじゃあ楽しもうぞ!」
戦闘が始まる。
先手は眷属の巫女。手をあげた瞬間、二つの火柱があがる。
ナノとお姉ちゃんはすぐさま後ろに回避。が、眷属の巫女の攻撃は止まらない。
三つ四つ五つと連続で火柱をあげてくる。
ナノ「お姉ちゃんっ、あの人予備動作なしで攻撃てくるの・・・・すごく行動が読みづらいのっ」
お姉ちゃん「そうね。私たちの目でもなかなか読みづらい攻撃ね。ナノちゃんは右からお願い。私は左からしかけるわ」
ナノ「わかったの!」
ナノ「はぁぁっ!雷弾!」お姉ちゃん「炎弾!」
眷属の巫女「はっはっは。軽いのぅ。」
ナノ「え・・・素手で雷弾と炎弾をはじいたの」
お姉ちゃん「厄介ね。相手が私と同じ属性だなんて。でもそれなら・・・ナノちゃん!儀式神楽よ!」
ナノ「わかったの!市杵島姫にも準備してもらってたの!」
ナノ・市杵島姫「儀式神楽っ!」
ナノの周囲に雨が降り出す。
ナノ「全力でいくの!音速移動からの水連!水弾!」
ナノの攻撃が眷属の巫女を捉える。確かな衝撃があった。周囲の火も消えたようだ。
ナノ「やったの!?」
眷属の巫女「・・・・。少しは楽しませてくれるじゃないか。」
眷属の巫女「それじゃあ私もそろそろ本気でいかせてもらおうかの」
眷属の巫女「降神術:稲魂神(うかのみたまのかみ)」
眷属の巫女は、降神術を使う
お姉ちゃん「稲魂神ですって・・・なんで悪神の眷属が降神術を使えるの・・・」
ナノ「お姉ちゃん??」
眷属の巫女「なんでだろうねぇ~?悪神様はなんでもできちゃうからのぅ。ふふふ。」
お姉ちゃん「はっ!ナノちゃん危ない!降神を解除して回避っ!」
ナノ「えっ!?・・・きゃぁぁぁぁぁぁ」
お姉ちゃんが叫ぶも束の間。眷属の巫女の地柱がナノを貫いていた。
お姉ちゃん「ナノっ!!」
すぐさまナノの元へ駆けつける。ナノの出血がひどい。
お姉ちゃん「ナノ!しっかりして!回復するのよ!」
ナノ「うぅ・・・超速・・・再生・・・」
お姉ちゃん「相手は地属性。ナノちゃんと市杵島姫の水属性だと相性が悪すぎるわ」
眷属の巫女「なんじゃ・・・その程度か。もう少しできると思ったがの。つまらんのぅ。降神も使いこなせてないしのぅ」
眷属の巫女はつまらなそうな視線を向けてくる。
お姉ちゃん「許さない・・・。あなたは許さないっ!私たちの神を奪って、その神でナノまで傷つけるなんて」
眷属の巫女「だからどうしたというのじゃ?力がないならこれでおしまいだの」
お姉ちゃん「日輪光」
お姉ちゃんを中心に瞬間的に光が広がっていく。
眷属の巫女「む・・・見えぬのぅ。が、ただのめくらましじゃろ!」
眷属の巫女が腕を一閃すると広がっていた光が霧散する。
眷属の巫女「ほぅ。青いのを逃がしたか。それでおぬしは1対1で私に勝てるとでも?」
お姉ちゃん「降神・・・神化!」
降神の第二段階を発動する。周囲が火で埋め尽くされる。
眷属の巫女「お~お~!お主も神化を使えるのか!良いぞ良いぞ!ここからが本番だの!」
お姉ちゃんと眷属の巫女の戦いが激化する。お互い一歩も引かず攻守を繰り返す。
お姉ちゃん「炎装!炎光!炎龍!」
炎を纏い、音速で移動し、炎の龍を眷属の巫女に叩き込む。
眷属の巫女「はっ!地装!地障壁!地龍!」
同様の技で対峙する。
火と地。お互いに同等の属性なため、攻撃は相殺される・・・・とはいかなかった。
お姉ちゃん「くっ・・・」
眷属の巫女の攻撃がお姉ちゃんを捉える。稲魂神の力に加えて、悪神の力が少なからずのっているからだ。
眷属の巫女「ふ・・・私の力の方が上のようだの」
勝ち誇ったように告げてくる。そのとき
眷属の巫女「ぐはっ・・・。背後・・・じゃと」
眷属の巫女の背中に炎槍が突き刺さっている。
お姉ちゃん「借りは返すわ。私にはこの緋色の目があるのよ」
未来視を使えるお姉ちゃんは被弾覚悟でこの展開をよんでいたのだ。
眷属の巫女「なかなか厄介な目をもっとるのぅ。だが・・・二度目はきかんぞ!!炎装!!」
眷属の巫女は地の力に加えてさらに火の力を上乗せてくる。
眷属の巫女の周りには岩石が炎で溶かされ、溶岩のようになっていた。
眷属の巫女「いくらお主でも炎に質量をもたせた溶岩は防げまい。終わりだの」
お姉ちゃん「いいえ。残念ながらこれで終わりよ。ナノ!テラ!」
二人を呼ぶと同時に返事が返ってくる。
ナノ「はいなの!」
テラ「はいです!」
ナノ・テラ「神気封印!!守護結界!!」
眷属の巫女「なんじゃと!神気封印は狐神の血族でないと使えないはず!」
お姉ちゃん「そうね。でもそれだけじゃないわ。ナノちゃんの守護結界はシラクレナのものじゃないの。セントレイクと言えばわかるかしら」
眷属の巫女は結界の中に引き込まれていく。もがこうとするも結界が邪魔をして外へ干渉ができない。
眷属の巫女「な・・・・争っている二つの国の術を両方使えるなぞ・・・」
お姉ちゃん「世界を滅ぼそうとしているあなた達にはわからないでしょうね。わからなくてもいいわ。」
お姉ちゃん「さあ、私たちの神様を返してもらうわよ」
眷属の巫女「やめろ・・・やめるのじゃ!私から力をうば・・・・・」
そこで眷属の巫女の言葉は途切れた。
稲魂神と眷属の巫女は神界に送り返されたのだ。
ナノ「お姉ちゃん・・・これでよかったの?」
お姉ちゃん「えぇ。大丈夫よ。稲魂神は神界にもどれば正常に戻るわ。時間はかかるかもしれないけど。天照、眷属も大丈夫よね?」
天照「問題ないわ。私たちの仲間を穢したことをたっぷり後悔させるわ。」
ナノ「それならよかったの!・・・よかったの??」
お姉ちゃん「ナノは相変わらず甘いわね。」
テラ「そこが良いところ。です。」
ナノ「もぅ・・・。あっ!まわりの戦いも落ち着いたみたいなの!」
そして激化する戦いに一旦の終止符が打たれた。
戦いから一週間後。
お姉ちゃん「ナノ!テラ!旅に出なさい!!」
お姉ちゃんが急に告げてくる。
ナノ「え?え?急にどうしたの?」
お姉ちゃん「一旦の戦いは終わったけど、まだ悪神は滅んでいないわ。世界をめぐって強くなりなさい。頼れる仲間を増やしなさい!」
ナノ「言いたいことはわかるけど、急すぎるの」
テラ「お姉ちゃんはいつも唐突・・です。」
お姉ちゃん「ナノちゃんは神化も使えない!テラちゃんも狐神の術を使えるのならまだまだ封印されている力があるはずよ!」
ナノ・テラ「・・・・・」
お姉ちゃん「あなた達二人はもっと強くなれるし、もっと多くの仲間にであえるわ!私の目に誓って!」
ナノ「わかったの」
テラ「わかった。です。」
多少強引なお姉ちゃんに言われるがままに旅の支度を始める二人。
もう少し甘えていたいという気持ちが残りつつも、自分たちのために一生懸命なお姉ちゃんを見ていると頑張ろうという気持ちがわいてくる。
そして3日ほどで旅の支度が完了し、出発の日を迎える。
ナノ「それじゃあ行ってくるの!帰ってきたときにはお姉ちゃんを驚かせてやるの」
テラ「私もです。私をいらないって言った人たちを見返してやるです。見てろです。」
お姉ちゃん「ええ。そうね。びっくりするぐらい成長して帰ってらっしゃい♪気を付けて旅をするのよ。」
ナノ「は~い!なの♪」
テラ「わかった~。です♪」
そして二人は新たな国へと旅立つ。
と、途中でナノが振り返る。
ナノ「あ・・・・お姉ちゃん。1つ聞いていい??」
お姉ちゃん「ん?なにかしら?」
ナノ「お姉ちゃんの名前・・・教えてほしいの」
お姉ちゃん「あ・・・そうね。もう偽る必要もないものね。」
お姉ちゃんはちょっと顔を赤らめながら名前を教えてくれた。
シオン「私の名前はシオンよ!シオン藩のシオン!」
ナノとテラは満面の笑みでお姉ちゃんに告げる。
ナノ・テラ「シオンお姉ちゃん!行ってきます!!」
あとがき?
こんにちは!こんばんは!ぴこです。
ここまでご覧いただきありがとうございます♪
そしてグランシュライデを企画・運営してくださった皆様本当にありがとうございます!
約1週間。すごく楽しませてもらいました♪
新しいことにも挑戦できたし、とても充実した1週間になりました!
まだまだ見れていないイラストやストーリーもあるのでこの後もゆっくり楽しもうと思います♪
本当に素敵な企画でした!次回も絶対参加したいです!楽しみにしてます>w<
グランシュライデの設定や世界観は今後も使用していいということでしたので、もしかしたら続編も作るかもしれないです。(笑)
それでは改めて、本当にありがとうございましたー!
呪文
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