曰く付きの御屋敷の話
ソレを聞きつけた旅の男が不審さ半分、やましさ半分で忍び込む
「おいおい、灯りをつけたままなんて不用心じゃねぇか
女のお盛んな姿が丸見えだぜ
へへっ、それじゃあこっちもお楽しみあそばさせて頂こうかねっと……」
翌朝ーー
「おう、まただぜ。あの御屋敷の前で旅の男が死んでやがったんだと
仏さんのこと悪く言うのもなんだけどよ、下半身モロ出しでアレしてたとこだったんだってよ
まったく、あの御屋敷はヤバいから近付くなってのはこの辺のモンの常識なのに、旅人やらは知らずにフラフラ〜っと入っちまうもんだから始末が悪ぃ
んっ?何だいオメェ知らねぇのかい?
アソコは立派な御屋敷で、そらもう亭主はベッピンの嫁さんと毎晩お盛んだったのよ
それが野党の集団に入られちまってな
そんときも行為の最中だったらしくて、旦那も嫁さんも素っ裸だったんだと
そんで旦那の方は嫁さん人質に金目のモンの在り処を吐き出され、用済みになったらナマス斬りだってよ。あまりの惨さに若いお奉行様が朝飯全部庭に吐いちまったの、オレも当時見て覚えてるぜ
嫁さんの方はというとだな……いつも刺してたかんざしまで抜き取られながら、そんな旦那の受けてる所業を見させられつつもどうにか隙見て逃げ出そうとしたらしい
だが戸の立て付けが悪くてよ。押しても引いてもガタガタ鳴るばっかりで開かねえのなんの
そこでモタモタしてっとこを、後ろから追っかけてきた野党の一太刀でバサァ〜っよ
元々夫婦のアレのときに出る汁で汚れてた障子が、一瞬にして血みどろの真っ赤っ赤に染まっちまったんだとよぉ。おっそろしいねぇ〜
嫁さんはそのまま障子に突っ伏したまま死んでたんだが……それ以来よぉ……出るんだよ。無念にも殺されちまった嫁さんの霊が……
ウッカリ艶めかしい影に惹かれてホイホイ近付くとだな……まあ、あの旅人みたいにおっ死んじまうって寸法よ
オメェさんも気を付けなよ?化け物ってのは道連れを欲しがるモンだからな
まあ、あのウチは子供が中々デキねぇって悩んでたから……案外そうやって男を誘って種を欲しがってんのかもしれなぇけどな!
でもよ、仮にいくらベッピンさんの霊と一晩お楽しみ出来るとしてもよ、オレは命取られんのは御免だぜ
女なんざ働いて金払えばいくらでも抱けるが、命は一つしかねぇからな
払っちまったら終いよ……
それじゃ、オレはそろそろ仕事の時間だから行くぜ
オメェさんも見物は程々にしておきなよ?
オメェさん中々女好みの顔付きしてやがるし、もしかしたら嫁さんの霊に目を付けられて狙われちまうかもしんねぇからな
そんじゃ、あばよ!」
呪文
入力なし