第4話「プール」
🐟鮮魚売場から始まる逃亡生活🐟
第4話「プール」
朝のホームルーム。
先生が教室へ入り、今日の予定を告げる。
「今日は待ちに待ったプールの授業です。」
教室中から歓声が上がる。
「やったー!」 「暑かったから楽しみ!」
マグロちゃんは首をかしげる。
「プール?」
隣のみのりが優しく説明する。
「泳ぐ授業だよ。」
マグロちゃんの目が輝く。
「泳ぐの!?楽しそう!」
するとクラスメイトが言う。
「早く水着に着替えよう!」
マグロちゃんは固まる。
「……みずぎ?」
みのりも思い出したように言う。
「あっ、マグロちゃん水着持ってない!」
教室のみんなも困ってしまう。
「どうしよう……。」
その瞬間。
マグロちゃんの身体が優しく光り始める。
制服が光の粒となって舞い上がり、美しい競泳水着へと姿を変えていく。
教室中が静まり返る。
「すごい……。」
「魔法みたい……。」
マグロちゃんは不思議そうに自分の姿を見回す。
「これが水着?」
みのりは笑顔でうなずく。
「うん!これなら一緒に泳げるね!」
屋外プール。
青空の下、プールには歓声が響く。
先生の合図で授業開始。
みのりは慎重に水へ入る。
「きゃっ、冷たい!」
一方マグロちゃんは勢いよく飛び込む。
美しいフォーム。
水しぶきは最小限。
魚のように水を切り裂き、あっという間に25メートルを泳ぎ切ってしまう。
「速い!!」
「オリンピック選手みたい!」
先生も思わず驚く。
「これは……すごい才能ですね。」
マグロちゃんは首をかしげる。
「え? 普通じゃないの?」
その頃。
校外では。
スーパーちちぷい社長と店員あみあが双眼鏡を持って現れる。
「今日はプール授業らしいですよ!」
「これは絶好のチャンスです!」
二人は木の陰へ隠れながらプールを観察する。
「見つけました!」
あみあも興奮する。
「あそこです!」
しかしよく見ると別の生徒。
「違いました!」
「また間違えた!」
今度はフェンスの外側へ移動。
金網越しに中を覗き込む。
「あっ! いました!」
マグロちゃんを見つけた二人。
「今度こそ間違いありません!」
捕獲作戦を相談していると……
近くにいた生徒が気付く。
「あれ?」
「あの人たち誰?」
「怪しい!」
次々と視線が集まる。
社長は青ざめる。
「まずい!」
あみあも叫ぶ。
「逃げます!!」
二人は慌てて全力疾走。
追いかけようとする先生。
「待ちなさい!」
社長とあみあは校門の向こうへ消えていく。
授業終了後。
マグロちゃんは楽しそうに言う。
「学校って毎日こんなに楽しいの?」
みのりは笑顔で答える。
「うん。でも……」
校門の外を見る。
そこには誰もいない。
しかし植え込みの陰から、社長とあみあがそっと顔だけを出していた。
「今日は失敗しましたね……。」
「ですが、次こそ必ず!」
二人は新たな作戦を立て始める。
その様子に気付かないマグロちゃんとみのりは、笑いながら帰路に就くのであった。
第4話 おわり
呪文
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