【神殿船、発錨――航海の女神セリュリス】
水平線の彼方では、時折、断続的な稲光が空を裂き、これから向かう海域が「平穏」とは無縁であることを告げていた。
漆黒の神殿船《ティラニア・ヴェンデッタ》の甲板。
そこには、数多の死線を潜り抜けてきた精鋭たちが、一糸乱れぬ沈黙を守り、整列している。
聞こえるのは、荒れ狂う波が船体に砕ける轟音と、巨大な帆が風を孕んで軋む音だけだ。
「この海に、私たちの席は用意されていない。
あるのは、私たちが踏み荒らし、己の掟で塗り替えるべき広大な空白だけよ。
……いい? 恐怖を忘れる必要はない。
だが、その震えをこの船(ティラニア・ヴェンデッタ)の動力に変えなさい。
私たちが波を裂くとき、海はその傲慢な口を閉ざし、ひれ伏すことになる。
……誇りなさい。あなたたちは今、神話の最前線に立っている。
……さあ、錨を上げなさい。
――出発(アー・ブロト)!」
彼女の言葉が止むと同時に、重厚な鎖の音が響き渡る。
それは祝福の合図ではない。
これから始まる凄惨な「神話」の幕開けを告げる、逃れようのない宣告だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キャラ性を反映した、航海の女神セリュリスのポートレイトです。
●自由を守護する女神でありながら、その本質は冷徹。
自らの流儀と海の掟を何よりも重んじ、甘えを許さない峻烈な意志を持っています。
●船乗りたちは皆神官
彼女の巨艦《ティラニア・ヴェンデッタ》を動かすのは、荒くれの船乗りではなく、彼女を絶対の神として仰ぐ神官団。神に仕える誇りと軍隊さながらの規律を併せ持つ彼らを率い、女神は再び大海原へとその斧を向けます。
●出航の刻
水平線の彼方を見据えるその瞳には、慈悲ではなく、これから始まる「神話」という名の業務を完遂する冷めた熱量だけが宿っています。
※スケールが全く変わるわ、甲板を踏み抜くわ、ごっついおばちゃんになるわで格闘し続けようやくこのあたりに落ち着きました。
※ぎりぎりのラインを突いた体型のせいか、一歩間違えるとローアングルがおばちゃん化してしまいます。本当は美人です。
※セリュリスの設定はこちら→https://www.chichi-pui.com/posts/8e00d25f-e206-439b-8f90-af37865f6f39/
エレウセリオン神話記WEBサイト(※アーカイブ用の自サイトです)
https://eleutherion2026.wixsite.com/my-site
呪文
入力なし