とんがり耳の住人
マユは鏡の前でポーズを決めた。青い髪を二つに結い、白いニットに身を包んだ姿は、確かに幻想的な雰囲気を醸し出している。
「マユ、それただのニット帽でしょ。耳の形も全然違うわよ」
友人のレイが呆れ顔で指摘する。マユはムッとして、抱えていた真っ白な子猫を掲げた。
「いいのよ。この子の神秘的な目と、私の尖った自作の付け耳があれば、森の奥深くで暮らす一族の一員に見えるはず!」
「その付け耳、ちょっとズレてるわ」
「うぐっ……!細かいことはいいのよ。ほら、この子も私の仲間入りを歓迎してるわ」
子猫が『にゃあ』と小さく鳴き、マユの胸元で丸まった。彼女は満足げに目を細める。
「ふふ、これでもう私は今日から森の隠れ住人。魔法だって使える気がするわ。……ねえ、まずはこの子に名前をつけましょう。やっぱり森っぽい名前がいいわよね」
「……まずは耳を直したら?」
マユは聞こえないふりをして、猫の鼻先をツンとつついた。夢見る瞳には、どんな現実よりも楽しい空想の世界が広がっているのだった。
呪文
入力なし