ヒノイ VS フェンテス
世界の歪みとも取れるが、実態は違う。
“世界をも歪ませる“精神を持つ者たちの発露の一つと言える。
#1
御当院ミツキの異能は“砲台生成“
汎用性のカケラもない、破壊一択の特急に歪んだ精神の発現だ。
普段はお嬢様を擬態し、その異常性をカケラも見せることはない。
が。
そんな御当院ミツキが、現在自分で生成できる最大の“砲台“を出現させた。
一瞬で臨界までエネルギーを充填し、異能の性能を最大発揮できる体勢を整える。
砲台の照準機能が彼女の左目を拡張し、敵を見据えた。
遥か彼方のさらに向こう。
“敵“を見据える。
#2
“ただの人間であれば“
絶対に発見できないほどの距離を置いたフェンテスのとある地方で、静かに重長距離レールガンを構える。
アブリル・ギアはため息を吐いた。
「・・・本当はこんなことしたくないんだけど、戦いを止めるためにはしかない。仕方、ないんだよね。」
レティクルを起動し、構える。
目標は、ヒノイの異能者部隊、その拠点。
衛星ともリンクし、目標地点の解析が高速で進む。
ものの数秒でクリアになった、狙撃目標地点。
そこにはーー
「うそ。」
見開いた視線の先には、巨大な砲台を向けてこちらを視認している1人の少女。
アブリルは無意識にトリガーを引き絞り・・・
#3
同時に放たれた砲弾はそこで激しく衝突し、膨大なエネルギーを撒き散らしながら対消滅することになった。
衝突した地点は幸いにも無人の荒野だったが、ヒノイ・フェンテス両方に跨り数キロメートルにわたるクレーターを残すことになった。
戦端もまだ開いていない地域での一瞬の交錯だったが、この地方での戦闘は一旦見送られることになる。
束の間の平和は、双方の保有する極大戦力によって齎されたのだった。
呪文
入力なし