草原のウインク
家の方から青々とした草をかき分けてやってきたミリに対し、アンはとびきりの笑顔を向ける。広い芝生の上にちょこんと座り、右目をパチッと閉じると、得意げに首を傾げた。
「ウインクの練習中なの! どう、これなら街の男の子たちもイチコロかな?」
「可愛いけどさ、足元がちょっと危なっかしいよ。スカートの中が見えちゃいそう」
「平気平気! ほら、こうして両膝を立てて、裾をこうして手で押さえていれば、風が吹いても絶対にめくれないでしょ?」
裸足のつま先をモゾモゾと動かしながら、アンは自信満々に胸を張る。
「そういう問題じゃないと思うけどな。それより、お気に入りの白い帽子、風で飛ばされそうだよ?」
「えっ、本当!?」
アンが慌てて両手を頭の上へ伸ばした瞬間、いたずらなそよ風が吹き抜けた。当然、裾を押さえていた手が離れ、スカートが容赦なくひらりとめくれ上がってしまう。
「わわっ! ミリ、今すぐ目を閉じて!」
「もう遅いってば。ほら、変な練習ばっかりしてるから神様も呆れてるよ」
「ミリの意地悪!」
顔を真っ赤にしてうつむくアンを見て、ミリは楽しそうにくすくすと笑った。
呪文
入力なし