邪念を捨てて私を見て
ツムギは新調したフリルの水着の裾を気にするように引っ張りながら、じとっとした青い瞳を私に向けた。
「あ、いや、その、すごく似合ってるなと思って……」
「嘘です! 今、目線が明らかに下がってましたよね! はい、今すぐその邪念を捨てて、健全な心に戻してください!」
「戻すって言われても、そんなに可愛い格好で見つめられたら……」
「言い訳は却下です! 今日は清らかで楽しい水遊びと決めたはずです。やましい気持ちを抱くのは全面お断りですからね! もし次、妙なところを見たらペナルティを科します!」
「ペナルティって?」
「あの、裏手にある一番冷たい修行用シャワーを1分間浴びてもらいます!」
ツムギはむっと頬を膨らませ、プールの縁をぎゅっと掴んで私を睨みつける。
「ツムギが可愛すぎるのが悪いと思うんだけどな」
「な、何言ってるんですか! 視線規制、発動です! 私の目だけを直視してください!」
真っ赤になった耳を隠すようにツムギは水面をパシャリと蹴った。私は今日一番の試練が始まったと、静かに覚悟を決めた。
呪文
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