Sエピ『短いスカートは女子の危機意識を磨くわ』byマキ
ある日、ファッション誌を見ていたコレオが、
「若い子はやっぱスカート短い子が多いんだな」
と、呟いた。
それを聞いたマキが、冗談のつもりで
「短いスカートは女子の危機意識を磨くのよ、代表」
「そうなんだ」
「そうそう。だから、代表もミニスカ履いた方がいいよ」
「何で俺がミニスカなんだよ」
「だって、夏場になって、女装カメラマンの仕事増えてるじゃん」
「いや、あれは麗華さんが、勝手に増やしてるだけで、俺の意思じゃないから」
「でも、やってるし」
「それは、仕事だからさ」
「ふん、そんなシリコン胸つけてる人が言っても説得力ないよーだ」
「あ、うん。仕方ないんだ。はぁ」
そんな話をしていた。
(イラスト①)
翌日、仕事がオフのマキが遅めにリビングに入ると、アキが下着が見えそうな、超ミニなメイド服を着ていた。
「アキちゃん、どうしたの」
マキはいつものアキらしくない服を見て聞いた。
「あ、マキちゃん、試してみたの」
「へ、なんのこと?」
「短いスカートは女子の危機意識を磨く、でしょ」
マキは驚いた。
あれは、コレオとの他愛のない冗談だった。
まさか、アキが真に受けるとは思ってもいなかった。
「ぷ、あは、あははは!」
マキ、大笑いである。
マキは、涙を拭きながら
「あれは、冗談。代表とのバカ話しだから」
(イラスト②)
その時、アキはポカン・フリーズしていた。
仲の良いマキが言っていた。
しかも、マキはプロのモデルだ。
服やファッションに関してなら、信頼できると思い込んでいた。
再起動……
再起動……
再起動中、アキの中には昨日からの自分の記憶が流れ込んできた。
マキちゃんが言うなら、メイドとして、家とその人たちのために危機意識を磨く、それもこんな簡単な方法で出来る。
アキはそういうふうに考えた。
……恥ずかしい。
夜、自分の部屋で、メイド服のスカートを直していた。
試着して、鏡の前で下着が見えないか確認していた。
ギリギリのラインでできたことに、少し得意げだった。
……恥ずかしい。
朝食に足りないものを買うために、このメイド服で通勤時間の商店街を歩いた。男性だけでなく女性の視線も集めていた。
「確かに、危機意識が出ますね」
マキちゃん凄いな。そんなことを思い納得していた。
……恥ずかしい。
コンビニで買い物をした。
男性店員の好奇の視線が刺さった。痛いほどだ。
会計の時は、視線を上げられなかった。
……恥ずかしい。
(イラスト③)
そして、アキは再起動した。
「それじゃあ… あれは違うの?」
アキは顔が赤くなっていた。
だんだん、恥ずかしさが込み上げていく。
「アキちゃん信じたの。ほんと、かわいいな。もう!」
マキはニコニコであった。
アキは恥ずかしさが、全身に駆け巡っていた。
「うぅ〜、マキちゃんのバカァ!」
短いスカートを押さえ、走るように、リビングを出て行ったアキ。
リビングでは、やはり、フリーズしたコレオ。
爆笑するマキ。
何故か、スカートを押さえるヒトミ。
プリンを食べるレーコ。
皆それぞれの反応を示していた。
日々家のいつもの一コマであった。
そして、アキが戻って来るまでには、しばらく時間を要した。
仕方ない事であった。
室井明輝 24歳
優しいメイドである。
素直で優しい子である。
身近な人の言葉を信じる、素直で優しいメイドである。
時々、日々家の人々の冗談を真に受けてしまうが……
そんな、かわいい24歳である。
呪文
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