ドンくさい君へ #フラグ成立
まずは視聴者のみんなに自己紹介をしておこうか。名前はレンヤ。どこにでもいる、前髪で目が隠れただけの冴えない高校生だ。
……のはずだったんだが、この春からどうも様子がおかしい。
登校すれば曲がり角で美少女とぶつかり、放課後は身に覚えのない呼び出しを受ける。どうやら、俺の人生という名の『物語』が、本格的にルート分岐を始めたらしい。
今日もいつもの登校風景。
ただ、冷静に分析させてもらうと、うちの高校の制服は明らかに設計ミス……いや、サービス精神が旺盛すぎる。
なぜ全員、ミニスカートが標準装備なんだ? 階段の上り下りだけで視覚情報の暴力じゃないか。……まあ、気にするな。それがこの世界の理なんだから。
その時、イベントの気配を感じた。市街地を駆け抜ける、文字通り『空気を読んだ』突風。
前方を行く女子生徒たちは、手慣れたものだ。カバンや手で瞬時にスカートの背後を押さえ、完璧なディフェンスでパンチラを回避していく。
だが、一人だけ。
その『理』から取り残された、奇跡的にドンくさい少女がいた。
ブロンドのボブヘアを揺らし、カバンを取り落とし、慌ててスカートの『前』を押さえてしまった彼女。
当然、背後は無防備。
ミニスカセーラーとニーハイの隙間……絶対領域のさらに奥に鎮座する、白いコットンパンティに包まれた柔らかそうなお尻が、朝の光を浴びて堂々と披露された。
『きゃっ!? ……あぅ、見られた……?』
恥じらいに顔を真っ赤にした彼女が、勢いよく振り返る。
そして、俺の長い前髪の奥にある視線と、バッチリ目が合った。
彼女は言葉にならない声を漏らしながら、顔を覆ってそのまま走り去っていく。
……ふむ。
今の波状攻撃(パンチラ回避)の中で、一人だけミスを犯す確率。
そして、その瞬間に俺と目が合う確率。
これはもはや、シナリオライターの意図を感じざるを得ない運命的なファーストコンタクトだ。
あのブロンドのボブの子……。
みんなが鉄壁の守りを見せる中で、あんなに隙だらけなんて。
相当なドジっ子なのか、それとも俺を攻略にかかっているのか。
……どちらにせよ、いいお尻だった。
どうやら俺の物語のヒロイン・リストに、また一人、強烈な個性が追加されたらしいな。
呪文
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