ある勇者の最期 (2)
彼女の中は、ただひたすらに熱かった。今にもはち切れそうなくらい狭くてきついのに、柔らかくて、ぬるぬるしてて。先端から根元まで包み込まれた僕の性器が、蕩けて形をなくしてしまいそうだった。
小柄な彼女に見合ったそこは、窮屈ながらも隙間なく僕に密着してくる。粘膜のひだの一枚一枚が独立した意思を持った生き物のように蠢き、より深い所にまで吸い寄せられていく。
往復するたびに刻一刻と命がすり減り、死に近づいているのがわかった。そして、それと引き換えに与えられる、途方もない快楽。絶え間ない苦痛と悦楽に意識を失いそうになるけれど、魔王はそれさえも許してはくれなかった。
「ほれほれ、どうした!? この程度で根を上げるでない!! もっと気張らんと、すぐに死んでしまうぞ!! 妾のことを愉しませてみせよ!! そら!! そらっ!!」
「あ、ぐうっ!? あ、あぁっ、あぁあぁっ!!」
前屈みになった魔王と目が合った。興奮で頬を真っ赤に染め、額に汗を浮かべて扇情的に微笑んでいる。そこに僕が大好きだった少女の面影はない。彼女の身体を我が物顔で支配する、邪悪な存在があるだけだ。
それでも、僕の上に跨がって腰を振っている姿は紛れもなくあの子のもので……葛藤とは裏腹に、身体は正直な反応を示してしまう。
何だかんだと言いつつ、僕は魔王に犯されながら感じてしまっている……そんな自分が、たまらなく嫌で仕方なかった。
呪文
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