夢心地の指先
「んむ……あれ、どこかなぁ」
手元がもぞもぞと動き、シーツを掻き回す。本人は夢の中で巨大なマシュマロを探しているつもりだ。
「ここかな? いや、こっち?」
指先が確かな感触を捉える。
「あった。ふわふわ……すっごく柔らかい」
彼女はにやけながら、律儀にリズムを刻む。その顔は至って真剣だ。
「へへっ、逃がさないよ。ずっとずっと、こうしていたいな」
ふと、枕元に置いたスマホが通知音を鳴らした。マヤは薄く目を開け、画面のアイコンをぼんやりと見つめる。
「……んー? なんでそんなに反応してるの?」
彼女は首を傾げた。画面には何かの警告マークのようなものが表示されている。
「いいじゃん、これくらい。だってもう止まらないんだもん」
そう呟くと、彼女は再び目を閉じ、さらに勢いよく指先を動かし始めた。
「ふふっ、最高に良い感じ。このままどこまでも行けそう」
窓から差し込む日差しも、彼女の熱中ぶりには気づかないふりをしているようだった。
呪文
入力なし