月夜にふたり
故国へ帰ってきた二日目の夜。月だけが静かに灯る部屋で、彼女だけがまだ私の手を離そうとしない。頬は赤く、耳と尻尾だけが妙に素直に揺れている。
「ねえ……もう少し付き合ってよ」
「少し飲み過ぎじゃないか?」
と声をかけても、彼女は笑って誤魔化す。
「あなたも――気が晴れた?」
私に向けられた瞳は、先ほどまでの陽気なそれではなく…慈愛に満ちたものだった。この土地に戻ってきた私を、彼女なりに支えようとしてくれていたことに、ようやく私は気づいた。
「もう少しだけな」
私はグラスを取り、彼女の隣にそっと座り直した。
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呪文
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