海獣白ラッコ vs お花怪獣ハルミチ!
ハルミチの判定勝ちだと思います。
ただし海獣白ラッコは倒されるというより、戦意を失って撤退、あるいは花の上で寝てしまう形です。
勝率で表すなら、陸上の市街地では ハルミチ7:白ラッコ3。
海辺や水中なら、白ラッコ側がかなり有利になります。
戦いの流れ
1.遭遇――白ラッコ、じゃれつく
暖を求めて街へ現れた白ラッコは、北へ歩く巨大なハルミチを発見します。
白ラッコのAIチップは、ハルミチの角や花で覆われた背中を解析しますが、正体がよく分かりません。そこで白ラッコは、まず前脚で軽く叩き、噛みつき、周囲の瓦礫を石のように使って反応を確かめます。
本人としては半分くらい「遊ぼう」としているのですが、怪獣サイズなので街には大きな被害が出ます。
一方のハルミチは争いを好まず、そのまま北上しようとします。
2.序盤――白ラッコ優勢
白ラッコは意外に素早く、ハルミチの周囲を回りながら、
脚の関節を狙って石を投げる
背中へ飛び乗る
花の部分を甘噛みする
AIでハルミチの歩行周期を学習する
といった攻撃を仕掛けます。
特に道具を使えるのが強く、ビルの破片をハンマーのように扱って、ハルミチの角や脚を狙います。純粋な戦闘技術では、白ラッコのほうが上でしょう。
しかし、ハルミチの身体は見た目以上に頑丈です。石や噛みつきは効いているものの、決定打にはなりません。
3.中盤――街が花畑へ変わる
ハルミチが進むにつれて、壊れた道路や瓦礫の隙間から次々と花が咲き始めます。
最初は白ラッコも気にせず攻撃を続けますが、やがて足元が柔らかな花と草で覆われ、使いやすい石が見つけにくくなります。長い花や蔓が前脚に絡み、得意の素早い動きも少しずつ鈍ります。
ハルミチは花を直接武器にはしません。けれども、存在しているだけで戦場そのものを穏やかな場所へ変えてしまうのです。
ここで戦いの流れが変わります。
4.転機――カルシウム不足
AIチップはハルミチの弱点を探し続けますが、白ラッコ自身の身体が先に限界へ近づきます。
カルシウム不足のため、長時間にわたって石を振り回したり、硬い身体へ噛みついたりする戦法は相性がよくありません。白ラッコは次第に疲れ、攻撃の合間に口元を気にしたり、前脚を休ませたりするようになります。
対してハルミチは、速くはないものの非常に頑丈です。体当たりを受けても踏ん張り、ゆっくりと白ラッコを押し返します。
AIチップは、
戦闘継続による利益、極めて低い
という結論を出しますが、白ラッコは少し意地になって、最後のじゃれつきを仕掛けます。
5.決着――花の中で停止
飛びかかってきた白ラッコを、ハルミチは角で傷つけるのではなく、身体の横で受け止めます。そのまま巨大な体格を使い、白ラッコを花畑の中へゆっくり押し倒します。
白ラッコは起き上がろうとしますが、花の地面は暖かく柔らかです。
もともと寒さを避けて街へ来た白ラッコにとって、ハルミチの周囲はかなり居心地がよい場所です。戦う理由を見失い、花を何本か前脚でいじったあと、その場で丸くなってしまいます。
ハルミチは白ラッコを傷つけず、そのまま北へ向かいます。白ラッコの背中にも小さな花が咲いているかもしれません。
勝敗
勝者:ハルミチ
勝因は攻撃力ではなく、
圧倒的な耐久力
長期戦への強さ
戦場を花畑へ変える環境能力
白ラッコのカルシウム不足
相手の戦意そのものをなくす穏やかさ
です。
白ラッコは戦闘技術と瞬発力では上ですが、ハルミチを完全に倒すには火力が足りません。AIチップがどれほど優秀でも、身体の弱点までは補えないでしょう。
私のイメージでは、これは「怪獣同士の死闘」というより、最終的には巨大な白ラッコをハルミチがなだめた事件として語り継がれます。
新聞の見出しは、おそらくこうです。
「海獣白ラッコ、花畑で熟睡――ハルミチは予定どおり北上」
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