夕暮れの特等席
ブランコの上で、彼女はふんわりとしたスカートを揺らしながら無邪気に笑った。僕はため息をつきつつも、彼女の背中を優しく押す。
「あんまり高くしすぎると、本当に飛んでいっちゃうぞ」
「いいもん! 飛んでいったら、雲の上でお昼寝するだけだもん!」
彼女は頬を赤く染め、満足げに目を細めた。その表情は、沈みゆく太陽の光を浴びて、どこか幻想的な輝きを放っている。僕はつい見惚れてしまった。
「……何よ、そんなに見つめて。顔に何か付いてる?」
「いや、ただ、今日の君がやけに楽しそうだからさ」
「ふふん、それはね、特等席に座ってるからだよ!」
彼女は得意げに胸を張り、小さな手でしっかりと鎖を握りしめた。
「特等席?」
「そう! 夕焼けが一番きれいに見える、このブランコのこと!」
そう言うと、彼女はまた声を上げて笑った。僕はその屈託のない笑顔を守るために、もう少しだけ力を込めてブランコを押し続けた。この静かな時間が、ずっと続けばいいなと思いながら。
呪文
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