放課後のユスティーナ先輩
窓辺に立ったユスティーナ先輩は、本を閉じ、ひととき目を閉じて、それからゆっくりと私を見た。
「君か」
先輩はそれだけ言って、小さく微笑んだ。
教室には誰もいなかった。
クラブ活動の声も、どこか遠い世界のことのようだった。
風はまだ暖かく、日差しも強いけれど、どこか寂しげな気配が紛れ込んでいる気がする。
先輩の黒い髪が光を受け、白いシャツの袖が淡く輝く。
特別なことは何も起きていない。
あるのは、学園で過ごす一人の先輩と、ゆっくり流れる時間だけだ。
「こういう時間ほど、長く覚えているものだ」
その言葉は誰に向けたものでもなく、窓の外へと静かに溶けていった。
呪文
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