エドワードの機械鎧修理記録第2話
リゼンブールの機械鎧工房。
修理作業が一段落した頃、工房の扉が開いた。
カラン――。
エドワードが振り向く。
エ「ほたる!」
休職願を提出するため一度日本へ戻っていた土萌ほたるが、小さな赤ん坊を抱いて工房へ入ってきた。
ほ「お待たせしました。」
胸に抱かれている赤ちゃんは気持ちよさそうに眠っている。
職人たちの視線が一斉に集まった。
職人1「おお、エドワードも嫁さんもらったのか!」
職人2「てっきりウィンリィちゃんと結婚するもんだと思ってたぞ!」
ウィンリィは顔を赤くしながら手を振る。
ウ「誰がエドなんかとwww」
エ「💢 おい!」
工房に笑い声が広がる。
アルフォンスは穏やかに笑った。
ア「まぁまぁ、兄さんも素晴らしい女性と結ばれて、子供もできたんだし。」
ほたるは一歩前へ出て、丁寧に頭を下げた。
ほ「皆さん、初めまして。土萌ほたるです。」
そう言って赤ちゃんを少し持ち上げる。
ほ「そして、娘のあかりです。」
職人たちの表情が一気に和らぐ。
職人1「エドワードのところ、子供できたのか!」
職人3「エドワードも父親かぁ。」
職人2「月日が経つのは早いな。」
エドは少し照れくさそうに笑った。
エ「ほたる、俺、先生んとこに厄介になるから。」
するとイズミが腕を組んで口を開く。
イ「エド。」
エ「はい?」
イ「ほたるさんも、うちで暮らしてもらうぞ。」
エ「え?ほたるも……こき使うんですか?」
イズミは思わず吹き出した。
イ「馬鹿者。」
優しく微笑みながら、ほたるへ視線を向ける。
イ「ほたるさんは子育てが一番の仕事だ。」
ほ「でも、私も何かお手伝いします!」
イ「気持ちはありがたいが、無理はするなよ。」
ほたるは笑顔でうなずいた。
ほ「ありがとうございます。」
その様子を見ていたエドは、ふとイズミの横顔を見る。
いつも堂々としている師匠の目が、一瞬だけ寂しそうに揺れた。
その視線は、あかりへと向けられている。
(……先生。)
イズミと夫シグには子どもはいない。
だからこそ、赤ん坊を抱くほたるを見つめる表情には、どこか母親らしい優しさと、ほんの少しの切なさが混じっていた。
エドはその気持ちを察したが、あえて何も言わなかった。
代わりに、眠るあかりをそっと抱き上げ、イズミの前へ歩み寄る。
エ「先生。」
イ「ん?」
エ「抱っこしてみますか?」
イズミは少し驚いたあと、柔らかく微笑んだ。
イ「……いいのか?」
工房には、機械鎧を打つ金槌の音と、穏やかな笑い声が静かに響き続けていた。
呪文
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