……今、神狐様の事、馬鹿にしました?
雪のように白い髪の向こうに、燃えるような赤い瞳を覗かせる、その少女の名は白尾白純(しらお しらすみ)。
名のある陰陽師の家に生まれ、その才覚は誰もが認める程素晴らしいものであった。
彼女に共する白狐は変化に長け、彼女の武器となり、また札を介する陰陽術は的確に敵を捕らえた。
まさに才女。誰もが憧れる才能の持ち主。
――その狂気的な信仰心を除けば。
「なんて哀れなのかしら。 いくら神狐様のいらっしゃらない土地の生まれだからと言って、その素晴らしさを微塵も理解できないなんて、気の毒ですわ」
その赤い瞳に宿るのは、侮蔑と憐れみ。
彼女はその目をふっと細めて、哀憐を滲ませる笑みを浮かべると、変わらず冷え切った声で言う。
「でも、丁度良かったですわ。 貴方方の事、沢山知りたいんですの。 勿論、教えてくださいますわよね?
そのついでと言っては何ですが、神狐様の事、たっぷりと教えて差し上げます。 光栄にお思いになって?」
ふふ、と零れる笑いは、ただ恐ろしい色だけを浮かべる。
膝をついた戦士はただ、首を縦に振るうしかなかった。
***
白尾家、白純について→ https://www.chichi-pui.com/posts/6551b1bc-4ba7-4651-9f83-dbd30ac85bde/
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