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Prototype 2024-04-22

使用したAI NovelAI
リーシャとの決戦を終え、しばらく経ったある日。
あたしは今回の一件で知り合った人たち、そして、新しくパーティに加わったあいつと共に、ギルドに併設された酒場で打ち上げをしていた。

宴は大いに盛り上がり、いつしかたけなわ。
いつの間にか姿をくらましたロミを探しに、あたしは夜の街へと繰り出した。
あてもないまま、街をぶらつくことしばし。脇道に入り、喧騒から離れた路地裏でロミを見つける。樹木のように立ち並ぶボロ家の隙間から覗く夜空を、彼女は一人静かに仰ぎ見ていた。

「何をこんな所で黄昏てんのよ」
「人の多い場所は苦手なの。これまでずっと、一人で生きてきたから」

冬の夜空の空気は冷たく、それでいてとても澄み渡っていた。都会にしてはよく見える星と、細くかかる白銀の三日月。
時が停まったかと錯覚する静寂の中に、彼女は何を見ていたのだろう。

「こんなに多くの人に囲まれたのは、本当に久しぶり。けれど、それも結局長くは続かない」
「……どうして、そんな風に思うの」
「魔女は決して、歳をとらない。五年や十年くらいならともかく、何年経っても見た目が変わらなければ、いずれは気味悪がられ、疎まれることになるわ」
「みんながみんな、あんたを嫌うとは限らないでしょうよ。少なくとも、あたしは……」
「そうではないの。心は変わらずとも、あなたにだっていずれ終わりはやってくる。人の一生なんて、私にとってはほんの瞬きに過ぎないのだから」

ロミの浮かべる、あまりにも寂しげな微笑に言葉が詰まる。永遠に在り続ける生の中で、数えきれない出会いと別れを繰り返してきたと見て取れる、そんな笑み。

「笑ってくれてもいいわ。私はね、怖いのよ。あなたが見せる、煌めくように眩しい日々も、いつしか泡沫の夢となって消えてしまうことが。だったらそんなもの、最初から知らなければいい」

そう言って、逃げるように背を向けるロミの腕を捕まえる。

「……はぁ。ほんっと、あんたってバカよね」
「レイリ……?」
「まだ何もしてないうちから、終わった後のことをぐじぐじ考えてどうすんの? そういうのをね、あたしの国じゃ鬼が笑うって言うのよ」

頑固者で融通が効かず、頭がいいくせに肝心なところで不器用で、本当は誰より寂しがり屋なあたしの相棒。
ちょっと目を離せば、すぐ自分の殻に閉じこもろうとする。まったく、そんな風に下ばかり向いてたら、どんな素敵なものだって見逃してしまうじゃないか。

「だったら、あたしが思い知らせてあげる。あんた、他人(ひと)の人生をほんの瞬きとか言ってくれたわよね? その瞬きの間に、どんな日々が待ってるか見せつけてあげるから、楽しみにしときなさい!!」
「ちょ、ちょっと、レイリ!?」

そしてもう、二度と独りぼっちがいいだなんて言わせない。陽の光の下を颯爽と歩く、そんな魔女がいたっていいじゃないか。

「……本当に。あなたって、困った人だわ」
「何よ、今頃気が付いたの? 覚悟しなさいよね、ロミ。あんたには絶対、吠え面かかせてやるんだから!!」

呪文

入力なし

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