虎の威を借りる刀のことと化け狐のこと
前回からの話の続きなので、よろしければリンクからどうぞ
或いは話を読まず画像の化け狐がむっちむちなのを堪能するだけでも大丈夫です。
(前回:治療中の化け狐枯葉様)
https://www.chichi-pui.com/posts/fe622931-af2c-41f8-9ffd-7058554b1bfa/
呪い人形と呼ばれる、周囲に災厄をもたらす為に負の情念の類を吹き込まれた人形との対峙により、彼女は重傷を負った。
かなり危ない状態ではあったが、運良く私が発見し、手遅れにならずに済んだ。
が、治療もそこそこに彼女は刀を取りに行きたいと言い出す。
しかし彼女は脇腹と足をやられて歩くこともままならない上、まだその危ない人形がうろついているかも知れないとあっては私が代わりにとも言えない。
――まだ雨も降っておりますし今日はお休み下さい。後日取りに参りましょう。
外を見やる。雨は激しさを増していた。雨どいから流れ落ちる水は滝のようだ。
「以前は気紛れでお前を助けたが。今度はお前に助けられた。気紛れも、起こしてみるもんだ」
直接の因果とまでは言わないが、少なくとも私が既に死んでいたなら彼女を助ける者もいなかっただろう。
――これも縁、ですかねえ。
「縁…な」
互いの名もわからず、触れることもできず、縁だけがある関係。
それも命を救いあった縁。
私は、良い縁だと思っている。
彼女は、良い方の縁だと思ってくれているだろうか。
――ああ、しかし何も知らずのこのことやって参りましたが、今日は山を下りるのも危ないですかね…
「そうだな、急ぎで無ければ今日は留まっておいた方が良かろう」
隣の空き部屋を使わせてもらうことにした。
軒先に置きっぱなしだった荷物を運び、奉納品として持ってきた食材で簡単な夕餉を作って化け狐に供する。
傷が痛まないようにする為らしいが、目のやり場に困る大股開きで寝ているので私は隣の部屋に引っ込んで食べた。
――明日、雨が上がったら刀を取りに行きましょうか。私が荷車で運ぶので良ければ
「そうか、頼む。どうしても気掛かりなんだ」
こんな前のめりな彼女は初めてだった。少し驚く。
「あれは、稲荷大神様より賜った刀だ」
確か、初めて会った時、かつてここは稲荷大神の神社であったと言っていたような気がする。しかし神からの刀とは。
狐の中には神の使い、眷属というのがいるが、実は彼女はとんでもない格の仙狐だったのか、と一瞬おののいた。
が、それは早とちりだったようで。
「ああ、賜ったといっても神事に使うような霊刀ではなく普通の無銘だよ。そもそも儂は神の使いでもない、純粋な突然変異の野良狐だ」
「ま、儂の事はよかろう。その無銘の刀に加護を与えて下さってな」
「虎徹という銘刀がある。大神様はそれの洒落で虎の威を借りる刀『狐徹』と名付けて下賜して下さった。すごく嬉しかったんだ」
「だからあれはどうしても探しに行きたい」
その様子から稲荷大神様への敬意が見て取れた。
――晴れたら行きましょう。道はぬかるんでるかも知れませんが
私はその刀に何の興味も無い。
ただ、彼女のことを聞けたのがなんだか嬉しかった。
-----------------------------------------------------------
彼女は枯葉(こよう)と自称している化け狐です。
ですが、この時点で視点になっている人間はまだその名も知りません。
というか狐に対して『はぐれ化け狐が固有の名前をもっているのかよくわかっていない』くらいの認識です。
そこを突っ込んで聞く気まではないし、枯葉も自分の意思で隠遁してるくらいなのでわざわざ人間の名前を聞こうとも思わない。
互いに、狐、人間、の距離。
そういう関係の話です。
Patreonにサイト開設だけしてみました。ここのはぐれ化け狐の話と娼館の話を再構築しつつ掲載していこうかなーと。あとはメカクレちゃんのえっちなのとか、枯葉様がエロい衣装で調子にのってるやつとか載せられたらなあとか。
https://patreon.com/user?u=118070703&utm_medium=unknown&utm_source=join_link&utm_campaign=creatorshare_creator&utm_content=copyLink
呪文
呪文を見るにはログイン・会員登録が必須です。
イラストの呪文(プロンプト)
イラストの呪文(ネガティブプロンプト)
- Steps 28
- Scale 7
- Seed 440500661
- Sampler DPM++ SDE Karras
- Strength
- Noise
- Steps 28
- Scale 7
- Seed 440500661
- Sampler DPM++ SDE Karras