その化け狐に触れてはいけない
(前回:負傷してぶっ倒れた化け狐 枯葉様)
https://www.chichi-pui.com/posts/e9a9dc7a-0852-435b-a805-54422d45b310/
私が廃神社に辿りついた時、化け狐は血塗れで尻尾がボロ雑巾のように汚れていたのが頭に焼き付いている。
呼吸はあったから絶命はしていない。とはいえ只事ではない。
ともかくこの場から引き上げ、神社の室内へ移送。
しばらくして彼女は意識を取り戻して私は胸をなでおろした。
今は汚れ落としと傷の手当てを彼女自ら行い、布団で横になっている。
汚れた衣類はひとまず洗濯場へ積み上げて何があったかを聞いている所だった。
不味い漢方ハチミツを律儀に食べ続けた化け狐は順調に快復はしていたらしい。
しかし万全とは言えない状態の時に呪い人形が現れる。
どうにか相手の片腕を斬り飛ばしたものの、反撃を受けて歩けないほどの傷を負う。
そうして這いつくばっているところで偶然に私がやってきた、ということだった。
そこまで話したところで彼女はハッと何かを思い出したようにこちらへ向き直って続けた。
「そういえばお前、儂に触っておらんだろうな」
――ああ、いえ、触れておりません。
何も知らずにいきなり言われたら、人間ごときが触るな、という意味に受け取るかも知れない。
しかしそういう事ではないのはわかっている。
――失礼とは存じましたが、鍬の先で引っ張り上げ、荷車でお運びしました。
「そうか、お前に大事なければ良い。改めてありがとう、助かった」
彼女から礼の言葉が出るのに少し驚く。
「儂だって元々は清い身体だったんじゃがな」
違う意味に聞こえる言い方だが、つまりは以前から厳命されていたことである。
曰く、彼女は呪い憑きや怨霊を狩り続けた結果、その残滓が身体に入り込み、徐々に蝕まれている。
これにより耐性の無い生物が彼女に触れると呪いが感染する。良くて悪寒、失神。酷ければ発狂や衰弱死。
本人は昔に稲荷大神から受けた加護で呪いを抑え込んでいたが、年月を経てそれも剥がれつつある所に今回の負傷、ということだった。
まあ、意識もあるしひとまずは様子見、だろうか。というか、触ることもできない以上、私には大したこともできない。
そうしてこの一連を、なるべく上の方へ顔を向けながら返事していた私は少し首が疲れてきた。
つまり。
「布団もかけずに足を広げられると目のやり場に困る…と言われてもな。傷口が貼りつくと痛いんだよ。我慢しろ」
我慢という方面の意味で申し上げたのではないのだが。
「呪いさえ無ければ清い身体だと言っておろう。嫌な顔をするな」
どうやら、今度はそのままの意味らしい。ますます正視しづらい。
――私は何か食べるものを用意してきますのでお休み下さい。
「酒を」
無視して台所へ向かった。
枯葉と書いて『こよう』と自称している化け狐。
本名を知っているのは百年以上前に親交があった古狐達と稲荷大神様だけです。
------------------------------------------------
なんとなくの話を元にイメージ画像を生成して、出てきた画像からまた着想を得て話を肉付けするというやり方できるのは面白いなあ。
昔に小説書いていた頃は絵が全くなかったから新鮮で楽しい。
ただやはりここのキャプション内で投稿する文章量、を意識してしまうので描写が雑になりがちですな。。
呪文
呪文を見るにはログイン・会員登録が必須です。
イラストの呪文(プロンプト)
イラストの呪文(ネガティブプロンプト)
- Steps 28
- Scale 7
- Seed 2395961901
- Sampler DPM++ SDE Karras
- Strength
- Noise
- Steps 28
- Scale 7
- Seed 2395961901
- Sampler DPM++ SDE Karras