うわっケーキだ!
「……俺の戦勝記念日で、程なく命日になろうとしている。見りゃわかるだろ。」
「ん〜?なんで勝ったのに死んじゃうの?でもその前に、おめでとう!お祝いしよう!」
「俺はついに幻覚を見るようになっちまったか。」
人語を操るケーキなどいてたまるか。これはなんだ?俺は疲労と空腹でチョウチンアンコウに釣られたのか?ケーキの魔物なんて聞いたことないぞ。やっぱりもう限界か。
「……もういい。どうせこのままでも夜になってくたばっちまうだけだ。幻でも御相伴に預かるとするか。」
シャキン!
「ナ、ナッ、ナイフ!ヒィ〜、すまなかった、不躾だった、見ず知らずのケーキに食欲を出すなんて、命だけはお助け、……え?」
「よかった、食欲があるなら大丈夫だね!さあ、召し上がれ!」
サクッ!
「うわ、お前早まるな、俺だったら自分でなんとかするから、自分に刃を立てるなんて真似は……ええ?」
「いただきます!……うん、今日の私も最高!ありがとうパティシエさん!」
「ええ、お前も食うの?自分の身体を?と、共食いなんてレベルじゃねえ…」
「え〜?ケーキが好きだからケーキなんだしケーキだからケーキが好きなんだよ。自分が好きでもないもの人に振る舞えないよね?」
***
「……うまい。助かった。感謝だ。………グスッ。」
「おめでとう!……あれあれ、涙が出るほど?」
「もう記念日にケーキを食うことなんてないと思ってたんだ。良い記念日だったよ。それで……その、お前の綺麗な身体とドレスを食っちまったが、俺には何も返せない。金だったらツケておいてくれると助かるんだが……」
「ありがとう!『良い記念日だった』って言ってもらえたら明日の私もきっと美味しいよ!それで十分!でもよかったら、次に着く街でケーキを食べてね。」
「糖分を入れたら頭が回るようになってきた。やっぱりどうかしているとしか思えないが、助かったのは事実だ。本当に美味かった。それで……お前にはジ◯ムおじさんはいるのか?」
「ん〜〜?ジ◯ムおじさん?そういうのなら、全世界のパティシエが私のジ◯ムおじさんだよ!世界で誰かがケーキを焼いて、美味しいと思ってくれたら、それで私はいつまでも存在できるんだ。ほら!」
俺たちが食ってしまった、いちごのショートケーキの裾がいつの間にかオレンジゼリーになっていた。
こいつは本当にケーキの化身なのか?旧文明の文献でいうヤオヨロズのなんとかだろうか。
「深く考えることはやめよう…。とにかく本当に助かったし最高に美味かった。人々とケーキに神の寵愛を。」
「じゃあね、良い旅を!」
---
やっぱりモンスターじゃねえか。
なんでファンタジー世界のケーキがジ◯ムおじさんを知っているのかはノータッチ。
ちなみに本家にもケーキを振る舞うケーキがいたりする。
SDXL先生に変なお願い・ケーキシリーズ
1→ https://www.chichi-pui.com/posts/68a5f84d-3e9b-46e8-9344-700fce08a962/
2→ https://www.chichi-pui.com/posts/d30eca0b-e8e8-4854-83dc-1487b61b13a4/
3→ 本作
4→ https://www.chichi-pui.com/posts/5b2969fc-adc9-4875-8455-e4a184fe9e2f/
5→ https://www.chichi-pui.com/posts/f093c703-3a4b-4071-90ee-8e99a126bc85/
6→ https://www.chichi-pui.com/posts/27feaf63-4f85-4492-86f4-2b76571bc916/
7→ https://www.chichi-pui.com/posts/b6989075-488a-4d09-bc8a-2dc8e367256a/
お茶会に現れると思ったら森にも出る。人あるところにケーキあり。
呪文
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イラストの呪文(プロンプト)
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