セントレイクとシラクレナの境
彼女はシラクレナの戦乱に嫌気がさし、セントレイクに移り住んできた。
なのに、今度はセントレイクにまで戦火が広がっていた。
そして彼女はシラクレナの出だから、一部の人からはスパイではないかと疑われてしまっているみたいだ。
「私、どこにも居場所がないのかな」
泣きそうになる彼女。そんな顔は見たくないんだ。
「・・・俺の村に住めばいい。北西の田舎だから、みんな優しいし。それに、俺の家も空部屋あるし・・・あっ」
「えっ?」
これじゃ最早プロボーズだ。
驚き目を開く彼女だが、なんとなく、嫌そうな感じは全くしなかった。
「・・・ありがとう」秋風に消えてしまいそうなその返事を、俺は聞き逃さなかった。
呪文
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