氷の姫君とその熱……魔法検閲・氷
むかしむかし、氷の姫君がおりました。
彼女の吐息は雪を呼び、まつ毛には氷の花が咲きました。
指先がふれれば泉は凍り、花はつぼみのまま眠りにつきました。
けれど姫君がほんとうに凍らせていたのは──
自分の大事なところ。
氷で包んで、誰の目にも見えぬようにしていたのです。
人々はそれを“検閲”と呼びました。
……でも姫君は知っていました。
氷はいつか、溶けてしまうもの。
そうやって私も、生まれてきたんだから。
だからほんとうは、願っているのです。
──熱いモノで、氷をとかしてほしい、と。
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おまけ。検閲失敗……R18編
(R18)
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呪文
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