赤ぽにちゃんと 黒ぽにちゃん
ムカついた黒ぽにちゃん。
----------------------------------------------
灼熱の太陽が照りつける午後、校庭の片隅で二つの影が向かい合った。
挑発的な笑みを浮かべるのは、赤いポニーテールの少女。彼女の愛車はクロスバイク仕様のスピードタイプ。余裕のある笑顔で振り返り、挑戦状を突きつけるような視線を送ってくる。「ねぇ、もう諦める? どうせ負けるんだからさ。」――軽やかな声に、自信と余裕がにじんでいる。
その視線を真正面から受け止めるのは、黒いポニーテールの少女。彼女は腕を組み、苦々しい表情で赤ぽにを睨み返す。自転車はシンプルなシティサイクル。決してレース向きじゃない。だけど、その目に宿る炎は消えない。「……やってみなきゃ分からないでしょ。」
周囲には観客もいない、ただ二人と二台の自転車だけ。だけど空気は張り詰め、まるで戦場のよう。赤ぽには勝利を確信して笑う。黒ぽには負けを拒む意地がある。
ペダルにかけた足に力がこもる。次の瞬間、二台の自転車は砂を巻き上げ、ゴールのないレースが始まった。
呪文
呪文を見るにはログイン・会員登録が必須です。