アヤナギ荘の日常 #27 -Everyday Ayanagiso-
これは何か違う気がしますね!」
「う~ん… 言われてみれば味が濃いような~?
そんな気がするだけのような~?」
場所は北の地、雄大な自然と広い空のもと。
シロキとクロキは真っ白なカフェの店内にて、
看板メニューのミルクパフェを味わっていた。
7月に入り、早々に梅雨が明けたアケルゲトス。
6月の暮れから連日で続く猛暑に屈したシロキは、
少しでも涼しい場所を求めて。
アケルゲトスから離れた北の方まで、
旅行にて来ていた。
クロキは「シロ、涼みに行くならあーしも一緒行く」
と言いついてきた形である。
「……なあ、次どこ行く?」
「この近くに港町があるそうです。
お土産屋さんが並んでて、
名物の魚介も味わえるとか」
「お~、海かぁ。あーし、
潮風で尻尾ベタつくのは苦手だけど、
まぁたまにはアリかも」
クロキは尻尾を揺らしながら、
どこか楽しげに目を細める。
「それじゃ、行ってみましょうか。
涼しい風も感じられそうですし」
夏の青空の下、
カフェを出た二人は次の目的地へ向かう。
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