風の色……魔法検閲・屁
ある日、姫は小さな音をこぼした。
それは風の魔法。けれど、少し恥ずかしい魔法。
ほんとうは無色の風なのに、
絵描きはその風を黄色に塗った。
見えないはずのものを、見えるようにして。
姫は顔を赤くした。
「どうして色をつけたの?」
絵描きは笑って言った。
「だって、見えないと隠せないでしょう?」
姫は少し考えて、
そっと頷いた。
——風が吹いた。
やさしく、すべてを包みながら。
「ところで姫様」
「なあに?」
「ご昼食は、スパイシーなものを召し上がられたんですね」
「どうしてわかるの」
「なんとなく……その……香りが。」
姫の顔は、ますます赤くなった。
風は優しく、そよいでいた。
第二弾
仮面の魔女編
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呪文
入力なし