誰も勝てない、こいつには ~邪竜を喰らう!の巻~
大陸随一と呼ばれた大賢者の逝去によって結界が弱体化し、封印されし最凶の魔物が蘇った。
人類への復讐心の求めるまま、目に入る村々、街々をことごとく灰燼へと帰して行く。
そしてその魔の手は王都へ─
「嘘だろ…。こんなのとどうやって戦えば良いんだ!?」
王国の騎士団はほぼ壊滅。
名うての上級冒険者達もその多くが戦闘不能に追いやられた。
魔王討伐から二百年…。
平和を謳歌し、種としての生存を掛けて争う敵を無くした人類は、明らかに弱くなっていた。
「この国ももう終わりだ…。ああ、神様…。」
その時奴が現れた。
闘いの匂いを嗅ぎ付けて。
「!何だあいつは!?トレーニング用の木剣!?まさかあんな物でドラゴンに立ち向かうつもりか!?おいやめとけオッサン!!危ねえから引っ込んでろ!!」
どす黒いオーラを身に纏ったその男が手にしている物は剣の形をしただけの木塊。
武器とすら呼べない代物である。
「グフフフ…。落ちてるやつを適当に拾って来たが悪くねぇ握り心地じゃねぇか…。オメェの名前は今日から“ドラゴンスレイヤー”だ。有り難く思いな。おっしゃ、今日の晩メシはバーベキューだな。いや、たまにはサシミも良いか?精が付くぜぇぇぇええええ!!!!!」
地上最強の男の手によって今、ただの木剣が地上最強の木剣と化す─
最凶の邪竜 VS 誰も勝てないこいつ
READY FIGHT!!!!!
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